第2話 救急搬送

マクラを調整していた私は、お腹で作動ボタンを押してしまったのです。

物凄いスピードで落ちてくるので間に合わず、利き手である右手の甲と手首を潰されました。


音と全身に走った電撃でまずは確実に折れたことは分かりました。


すぐに機械を離れ、右手首を押さえながらまず最初に確かめたのは指が動くかどうかでした。

一応微かに動いていたので神経は助かったかな?とか考えていました。

もちろん想像を絶する痛みと血の海の中で。


15分くらいで救急隊員がやって来ました。

まずは作業用の軍手を外す必要がありますが、大量出血と、機械に潰されて中がグチャグチャになっている為普通には外せないので。ハサミで切って外すことに。


5分程で軍手が外れましたが、見たらショック死する自信があったので絶対に見ないようにだけ気を付けました。


担架で救急車に乗って、さあ出発という時に警察がやってきて状況や電話番号等聞かれました。

大怪我と大出血で一刻を争う時に。


質問責めもやっと終わり、救急病院へ向かいました。


不運な事故に遭った私ですが強運なこともありました。

ごく最近までは手の手術や治療が出来る専門の医師が四国内にはいなかったらしいのですが、たまたま良いタイミングでそのお医者さんが私の済む高知にただ一人いてくださったことが最大の幸運でした。

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