第4話 アリスの胸の内
スキルには3種類存在する。先天的な才能型と後天的な努力型、あとよく分かんない突然変異型。それらをランク分けする。
10歳になると鑑定士に皆鑑定してもらう。この時にCランク以上のスキルが発現していれば才能型のスキルということだ。逆にD以下は凡才、ということになる。しかし、このランクは努力すれば上がる。それが努力だ。努力すれば誰だって頂点を目指せるのだ!
つまり、才能型と努力型はスタートラインが違うだけとも言える。もちろん才能型はAランクの高みへいきやすいとされていたりするが、EランクがAランクまでに昇り詰めた例もあるのでその人次第になる。
変異型は例外、魔物でいうところの魔王みたいな存在と同じ、理から外れたバグだ。そういった人間は過去に3人確認されている。
☆ ☆ ☆
姫騎士アリス•アンウェルは本物のお姫様だ。そんなお姫様が何故魔王討伐に参加しているのか、それは婚約者を探す為であった。王族である彼女は国の利益になる相手と結婚しなければならない。それは分かっていた。だからその候補筆頭である勇者とも親しくなろうと努力した。……したのだが、生理的に無理だった。蛇のように絡みつく視線が嫌で仕方なかった。後、自分語りがウザかった。
逆にシオンはそんなことなかった。ちゃんと目を見て話してくれるし。細かい気配りが出来て、王宮で出される無駄に贅沢なだけの料理ではなく、暖かく美味しい料理を出してくれる。アリスの荒んだ心に潤いをあたえるオアシスそのものだった。
それはある日を境に恋へと変わる。街に魔物が押し寄せて来たのだ。アリスたちは必死に食い止めていたが、何体を行かせてしまった。アリスが街に行った魔物を倒そうと向かった時に見たのだ、シオンが小さな女の子を庇い深手を負ったのを。その光景を不謹慎にも美しいと感じてしまったのだ。
そのあとは聖女セリアがいたので何とかなり、アリスはシオンをこっぴどく説教した。自分に芽生えた感情を隠すように。
☆ ☆ ☆
私はシオンのことが好き、それに気付かされたのはいなくってから。もしかしたらもう二度と会えないかもしれない、そう思いと居ても立っても居られなかったから、みんなを置いて来てしまった。最近の私がおかしいのは自覚しているけど、どうしようもない。好きなのだから。
私は自分の立場からシオンとの関係を勝手に諦めていた。でも、あんなに辛いなんて思わなかった。
もうあんな思いはこりごりよ。身分なんて関係ない私は後悔しない選択を取る。
決意と覚悟を胸に私は2本の剣を構える
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