第3話 出発!カペラオペラ号!
2019年12月28日、深夜。
『ゴソゴソ、ゴソ。』
英辞郎はこそこそと一車、一輪、クリスにスマホを渡す。
「看護師長には内緒だ、ぞ。」
「折角の銀河鉄道、カメラロールに収めておきたいだろ?」
「ヒュウ、さすが蘇鉄のじいちゃん。気が利くゥ。」
「……ありがとうございます。」
「ふふん!なかなかいきなことをしてくれるわね!」
そんな談笑をしていたら、病棟の出入口は銀河鉄道のホームへと繋がっていた。
_____
「お待たせしましたぁ。間もなく発車致しますので、お乗り下さい〜。」
車掌ちゃんは、一車の持つ切符を確かに確認し、一車達が来てることをチェックしながら、メモを取りながら確認する。
「えーと、一車さん。一輪さん。クリスさん。そして英辞郎さん。揃ってますねぇ?」
「へいへい。それにしても、カペラオペラ号て内装も宇宙的っていうか……プラネタリウムみたいなんだね」
「一輪……ここに、居ます。汽車……綺麗。」
「わぁ〜……こんなキラキラなきしゃ、はじめてみたかも……。」
「あ、そうだ。君たち。ちゃんと薬は持ってきたから安心しろよな!」
感動する一同に対し、車掌ちゃんは照れながら案内をする。
「カペラオペラ号は銀河鉄道ですので〜。えへへぇ。」
「それではカペラオペラ号、ギャラクティカ経由天の川行き。発車致しますぅ〜!」
_____
そう言ったあと、もう一人の車掌が笛を鳴らし、ハンドルを取る。
少しハンドルを動かしたあと、その車掌は一同の元にやってきた。
「へへーん!こないだは妹のデジールを助けてくれてありがとうな!」
「お姉ちゃん〜……本名で呼ばないで下さぃぃ〜……恥ずかしいですぅ。」
「へへっ、それは済まなかった!」
「来客たち、ようこそ!あたしはカペラオペラ号の車掌その2リンシャさ!」
リンシャは得意げに挨拶をした。
しかし一車は一つ気になっていたことがあった。
「あのさ車掌2号サン。ハンドルすぐ離したけど、大丈夫なわけ?」
その質問に対し、リンシャは自信満々に語る。
「聞いて驚くな妹の恩人!このカペラオペラ号はなんと、少しハンドルを動かせば後は自動で運転してくれるのさ!」
その返答に対し、一同は目を輝かせる。
「へぇー面白い。銀河の果てってやっぱ技術もぶっ飛んでるんですかねー?」
「凄い……漫画、みたい……。」
「わぁー……ゆめみたい……。」
「ちなみに、眠かったら二両目に寝台車があるから好きに寝ていいぞ!」
「ギャラクティカ経由、天の川行きは〜かなり長い旅に〜なりますので〜。」
「へぇ、すごく便利。寝るのがもったいないくらいに景色綺麗だし……あ、写真撮っとこ!」
そう言い、一車は英辞郎から返してもらったスマホで写真をパシャパシャ、と撮る。
余談だが、当然のごとく圏外である。
いや、むしろ地球外に電波が届いてたら色々ぶっ飛んだ話になるだろう。
_____楽しい楽しい宇宙旅行、はじまりはじまり!
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