コイントスで決まる異世界冒険譚 〜二度目の人生は自分の手で掴んでやる〜
ぱすてぃー
第1話 世の中理不尽だらけ
僕は立花真斗。今は人生の別れ道に立っている。友人の借金の保証人になったところからだろうか順調だった人生は簡単に崩れ去った。
今はヤクザの事務所で自分のハンコを押した書類を前に固いソファに強面の男と対面して座っていた。
目の前の強面の男は「ほいじゃあ立花さんあんたが保証人になってる借金5000万耳揃えて払うてもらいましょか」とドスの効いた声で話始めた。
「そ…そんなお金ないです。なんとか…なんとかなりませんか!?」
そう僕はすがる思いで問いかけた。
「なーんともならんよ」
そう男はニタニタしながら話続ける
「じゃけどな…ええ方法があるぞ。わしとゲームをしよう。コインの表が出たらにいちゃんの借金はチャラにしちゃる裏が出たらそん時は…」
とまたニタついた顔で男は提案して来た。
僕は、『二分の一…二分の一で助かる!』そう藁にもすがる思いで「お…お願いします」そう言っていた。もうまともな判断なんて出来なかった。
「ほーいさぎええな嫌いやないでにーちゃんみたいなのは。ほんなら。」
と男はコインを投げる。『パシッ』と小さく音が鳴り男の手のひらに収まる。
「あらら残念やな裏やわ…」そういいながら男が見せて来たのは表向きのコインだった。
「それはおもっ…」と言いかけた時には後ろから押さえつけられて男のニヤついた顔を見ながら意識が遠のいていた。
目が覚めた時そこは真っ白な雲海だった。「あー死んだのか僕は…」そう諦めて居た時どこからか声が聞こえて来た。
『あーあーこれもう聞こえてるの?』
『はい聞こえておりますよギャンブ様』
『え、マジ?ヤッホー聞こえてるタチバナ君?』
僕は何が起きているのか分からずフリーズしていた。
『あれ?これ聞こえてないんじゃない?おーい聞こえるかタチバナ君?』
そう声は問いかけ続けてきた。
やっと少し思考が追いついた僕は
「は…はい聞こえてます。あ…あなたは誰ですか?」
『ワシー?ワシはギャンブまあタチバナ君の世界で言う神みたいなもんよ。それでまあタチバナ君もわかってると思うけど君死んだから』
そう告げられてやっぱりとそう自分の中でまとまった。
「それで僕は、これからどうなるんですか?やっぱり親とかより先に死んじゃったし地獄行きとかですか?」
『いやいやそんなことしないから君のこれからは全部このコインで決まるよ』
そういうと目の前には小さなコインが浮いていた。
コインには、開いた目と閉じた目の柄が入っていた。
『そのコインはね。君のこれからの異世界人生そのものだよ。そのコインの表と裏の出目次第で天国にも地獄にもなる。』
「このコインで全部決まる…」
僕は手の中でコインを転がす。
『まあものは試しだ。コイントスはわかるだろ?やってみな?さあ想像してこれからの新しい生活君の希望を!思い浮かべた人生は表!その逆裏が出ればそれはそれは…』
と楽しそうな声で笑いながら語り続ける。僕は少しむかついたあのヤクザの男と同じだ。この神と名乗る人物は間違いなく僕で遊んでいる。
それでも僕は覚悟を決めた。次の人生は自分の手で掴んでやる。
そう強く思いコインを高く投げ上げた。
手のひらにコインが収まる結果は…
「表…表だ!」
『やるね!流石だ!じゃあいってらっしゃい!』
そう聞こえた瞬間僕はまた意識を失った。
次の瞬間目が覚めたとき僕は、腰に布を巻いたまま川の中で目を覚ました。
手にはしっかりと一枚のコインが握られていた。
第二話 思い描いたのと違う。
コイントスで決まる異世界冒険譚 〜二度目の人生は自分の手で掴んでやる〜 ぱすてぃー @pasuta1122
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