7がつ 5にち 「そうじ」
七月五日 晴れのち曇りのち雨 雨だー
結局、茶々瀬の伝えたいことは、茶々瀬の言葉では伝わらないのだろうと、そんなことを思います。だからきっと、茶々瀬は黙るしかないのです。茶々瀬の話を聞いてくれるひとなんかいやしないのです。
朝は、朝ごはんを食べました。おいしくなかったです。
速く歩く女のひとがいました。腕をいっぱい振っていました。競歩しているみたいでヘンでした。腹筋がないのかも知れません。
お仕事では、上司と一緒にお掃除をしました。いろいろ捨てました。
お掃除をしていたら、共有部分の一部をひとりで占有しているスタッフがいるのを発見しました。苦手な先輩です。自分のスペースはいかにもきれいに整理整頓していると見せかけて、整わない部分を脇に寄せただけみたいでした。死ねばいいのに。
帰りの電車はひとが多かったです。おっさんの背中が茶々瀬の背中にあたってたいへんに不愉快でした。死ねばいいのに。
傘差して、スマホ見て、歩道を歩いているひとがいました。とっても邪魔でした。死ねばいいのに。
いろんなことが気に食わないです。でも、それをこぼせるひとがいません。茶々瀬が死ねばいいのですけど、そんなことするには冷静すぎます。ほんとは全部、どうでもいいんです。なんにも思ってはいないんです。こうやって言葉にできるくらいには、冷静なんです。
全部嘘です。おやすみなさい。
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