7がつ 4にち 「いぬ」
七月四日 雨のち曇りのちちょっとの晴れ間 ちょっと涼しい
日記を書く習慣が薄れています。たいへんだあ。日常に代わり映えがなさすぎて、書くことがないのが一因です。あとは、茶々瀬のプライベートの詳細はどうしたって隠さなくちゃいけないのだから、結局言いたいことが言えない不全感が筆を重くしています。ねっとりてらしーは大事です。
そのうちふぇーどあうとしているかも知れません。
朝、あんまりごはんがのどを通りませんでした。昨日食べすぎたせいもあるのでしょうけど。
朝の電車で『草枕』の続きを読みました。言葉がむつかしくって、しかめつらになります。
お仕事の場所では、なんだか居心地が悪かったです。月曜日だったからかも知れないし、本を読んだあとだったからかも知れないし、お話を書いたあとだったからかも知れません。空想に浸ったあとは、現実がぼんやり遠くなって、会話のリズムとか、相手の気持ちとか、全然わからなくなります。自分がどうやって言葉を選んでいたのか、何を普段喋っていたのか、忘れてしまいます。
茶々瀬はひとのグチとか頑張って聴いているつもりです。でもどうして茶々瀬のグチを聴いてくれるひとはいないのでしょう。茶々瀬にじんぼーがないからですか。それとも、茶々瀬はひとのグチ、あんまりちゃんと聴けていないのでしょうか。
帰り道に、犬を見かけました。黒くて大きな犬です。男のひとと散歩をしていました。交差点で止まると、ちゃーんとお座りしていました。それで男のひとにちょこんと頭を撫でられていました。撫でられたあと、男のひとは見ていなかったけど、犬は耳の付け根をくいって持ち上げていました。「ぼくってやるでしょ?」とか「撫でられるほどのことじゃないさ」とか「ご主人はぼくに甘いね」とか、そんなことを言っているように見えました。ちょっと肩をすくめるみたいな、気安い仕草に見えました。とってもかわいかったです。茶々瀬は猫派ですが、おおきい犬も好きです。
帰り道は、空が少しずつ晴れました。ふしぎな形の雲がいっぱい浮いていました。空をあっちからこっちまで覆うくらい大きな、骨の魚が、いっぱい泳いでいるみたいに見えました。骨のトカゲかもしれません。そんなふうでした。
夕日が金色でした。
明日になってほしくありません。お仕事に行きたくありません。
おやすみなさい。
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