6がつ 23にち 「ねじばな」

 六月二十三日 曇り ちょっと晴れ間も見えた?


 にゃー。


 朝は、また喫茶店でお話を考えていました。おうちでできたら、お金を使わずに済みます。でもおうちだと誘惑が多すぎてできません。おうちはものを考えるのには向きません。

 喫茶店には、いつも、お仕事の、他の部署のひとが座っている気がします。よく似ています。でも違ったら恥ずかしいし、あんまり喋ったことないひとだから、横目に見るだけです。

 朝の喫茶店は、空いている席が多いです。でも、それをいいことに、横の席に荷物を置いたり、コンセントのある席はスマホとか充電して自分は別の席に座っているひとがいたり、あんまりマナーがよくありません。茶々瀬はそういうの見ると、ちょっとむかっとするたちです。でも、文句言ったりはできません。言うのもヘンです。


 お仕事では、部署内の勉強会で研究論文の書き方みたいなのをやりました。そーゆー書き方をするとなんかかっこいいけど、ちょびっとさわりをやっただけです。三十分くらいだけです。どんな些細な疑問でも研究になるよ、興味のあるものを見つけてみてね、みたいなお話でした。茶々瀬は、この「興味」という言葉が苦手です。とってもいたたまれなくなります。

 茶々瀬はお仕事にあんまり興味がありません。きらいじゃないですけど、なんにも考えないでお仕事をしています。それができるお仕事を選んでしまっています。お仕事だけじゃありません。茶々瀬は能動的に行動することがとても苦手です。お話を書くのにも、調べ物とかしたらきっと深みが出るのでしょうに、それさえ敬遠しています。それなのに、お仕事で疑問を持てなんて。茶々瀬は疑問なんて持たないでこれまで生きてきました。学生のころ、実習先で「質問ある?」と聞かれるのがとてもいやでした。質問なんかないんです。世の中に疑問を持つなんて、そんな難しいこと茶々瀬にはできません。

 そのうち、お仕事で研究とか発表とかやらされるのだと思います。プライベートの時間まで食われるのだと思います。怖いです。涙が出るくらい怖いです。


 この前遊んだメンバーで、おでかけをしようという話が出ています。楽しそうな反面、行きたくないような気持ちもあります。茶々瀬は楽しいお話とかできないし、騒ぐのも得意じゃないし、どっちかというとその場の空気を白けさせちゃうひとです。経験不足が著しいです。ほかのひとは、わりと明るい、遊ぶの好きそうなひとたちです。なんで茶々瀬を誘ってくれるのかよくわかりません。でも嬉しいし、断ることもできないし。せいぜい嫌われないようにしたいです。これでも、楽しそうに振る舞うのは得意なつもりです。がんばるぞー。


 このところ、ネジバナがちらほら咲き始めました。茶々瀬の好きなお花のひとつです。ピンクの螺旋がかわいいです。おもしろい花の付き方だなっていつも思います。そこらに生えている野花です。でも園芸品種として売られているという話も聞いたことがあります。売り物なってしまうのは、なんだかかわいそうだなって思います。好きなところで自由に咲いていてほしいです。


 お腹が空きました。おやすみなさい。

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