6がつ 15にち 「つばめ」
六月十五日 雨のち曇り 気温はちょうどいいけど、どんより
連日雨が続きます。とはいえ降水量はさほどでもないように思われ、不快というよりは過ごしやすくてよいなあといった印象です。梅雨はもう少したいへんだったような記憶もありますが、或いは茶々瀬のインドアレベルが上がっているだけなのでしょうか。
昨晩「僕と君の大切な話」を全部読み終わりました。かわいい、まぶしい、うらやましい、と青春のきらめきに身もだえました。だから夜はよい夢が見られるかなって楽しみでした。でも、見られませんでした。なんの夢も見ませんでした。残念です。
お仕事でちょっと失敗しました。関わっていたひとを悲しませてしまいました。茶々瀬がなにか失敗したから悲しくなったわけではありません。そのひとの失敗を茶々瀬が伝えなければならなかったのです。茶々瀬の伝え方によってはあんまり悲しくならなかったかも知れません。どう言うのが正解だったのかなって悩みます。先輩にも相談したりしました。今度同じことがあったらもうちょっといい言い方ができるといいなって思います。
帰り道で、また美容院に電話に電話を入れました。でも、電話は出ませんでした。忙しかったのかも知れません。お店にコール音が響いているのを想像して、申し訳なくなって、途中で切ってしまいました。いつも、チェーンのオシャレなお店に無理して通っていました。理由はそこが一番安いからです。でも、茶々瀬はおしゃれするわけじゃありません。髪が短くなればそれでいいと思っています。染めたり、パーマかけたり、そういうことはしたことありません。だからずっと、場違いな感じがして、苦しかったです。お店のひとも「なんでこんなやつがうちに」と思っているんじゃないかって想像して、怖かったです。今日電話に出なかったのも、茶々瀬だと気づいて無視したんじゃないかって考え始めたら、もう怖いのが止まらなくなって、そこに行くのやめようかと思いました。ちっちゃいお店に変えようと思います。電話した緊張でお腹が痛くなりました。
でも、茶々瀬、新しいことするのすごく苦手です。知らないお店に入るのとか、絶対できません。予約の電話、入れられるでしょうか。不安です。でも髪も切りたいし……。こういうのが気軽にできるひとはすごいなって思います。
帰りにいつもお酒を買うお店に寄りました。駐車場の屋根にツバメが巣を作っていました。雛が五羽いて、みんなが一斉にぱかぁって口を空けてピーピー鳴いていました。黄色い口が風にそよぐみたいにちろちろ揺れています。しばらくするとぴたっと閉じて静かになりました。それを何度も繰り返しています。おもしろいです。親が脇に控えて、じっと茶々瀬を観察してました。
ツバメは、人間の往来がある場所に他の動物が寄りつかないことを知っていて、あえて民家に巣を作るそうです。よく考えるなって思います。人間も、他の動物からしたら資源なんだなって思います。人間も、どれだけ科学を極めようとも、自然の一部でしかないのだろうなって思います。
今日はちょっと書くの遅くなりました。おやすみなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます