第286話 凍らせた後
凍らせた後
その後は温度調節魔法でも良いが、それだと時間がかかる為マーシャはストレージから大きな剣を取り出した。
考えたのはかき氷、まさかそういう機械的な物をこの場で作り出すには時間がかかりすぎる。
ならば魔法と剣撃で同じような効果が作り出せないだろうか?
《このぐらいならば行けそうじゃな》
《どうなさるのですか?》
《この剣を使って魔法をかける、いわゆる複合攻撃と言うやつじゃな》
マーシャが取り出したのは穿孔剣と言う少し変わった剣である。
その名の通り穴を穿つ剣であり、図体が大きな相手と戦うために作った剣である。
SSクラスURタイプのカラクリソード、重量は200kを超える長さ2メートル幅50センチの超級の剣。
その剣にはいくつかの魔石を使い魔法を付与してある、目の前に構えて魔法を唱えると目の前に直径1メートルの大きな穴が開くと言う。
対人戦でこれを振るったならば体が跡形もなく消滅すると言う物、もちろんマーシャは人相手でこれを使用する事は無い、一応試しに作ってみたと言う感じだ。
それを数回凍った空間にめがけて解き放つ。
《穿て、剛剣》
《バゴン》
《穿て、剛剣》
《バズン》
合言葉はできれば選んだ方がいい事も分かるが、一番覚えやすくそして分かりやすいと思っている言葉で設定したようだ。
まあ魔法の言葉など本来どうでもいい、問題はその言葉でちゃんと思ったように魔法が発生するかという事。
《おー》
剣を構え魔法をかけること数回、縦3メートル幅2メートルの氷の洞窟が出来上がる。
空間固定したために、こちら側の水は入り込まないようになっており、削った氷はマーシャのストレージへと収納されている。
そうしないと水が入りまた凍ってしまう事になる、という事で水中での魔法を使う場合しっかり空間魔法(結界魔法)などを使用し、区間を分断し自らにはその影響を受けないようにする工夫が必要だ。
《まさか…》
《わー綺麗》
透明度の高い氷の壁、その外側にはあの触手が見えていたはずが今は氷しか見えない。
マーシャが凍らせたとたんこの階層にいた全てのダンジョン魔物が死んだことになった。
《うまく行ったな》
《だがここを通るのか?》
《なんだその図体で怖いとか申すのか?》
《いや体が凍り付いてしまわないかと…》
《空間分離、温度調節トゥエンティ》
氷の通路全体に魔法で隔離、ついでに温度設定までしておくことにする。
これで海竜族はもとより自分達の手足も凍ることが無いはずだ。
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