第282話 サザールダンジョン1階
サザールダンジョン1階
通路のような場所を進んで行くと、潮流によって少し体が引っ張られるようになる。
《あれか…》
まるで渦のような魚の群れが目の前に現れる、たくさんの銀色の魚が反時計回りに泳いでいるのだがその勢いはかなりの物。
しかも一匹の魚の大きさは1メートルを超えている、そしてその中の1匹がマーシャの元へと突っ込んでくる。
「シャー!」
「バシン!」
《鑑定!》
「グニグニ」
とりあえず捕まえて魔法で鑑定してみた。
魔銀ピラニー:ダンジョンの魔物でありその大きさは1メートルから2メートル。
食欲旺盛であり雑食だが人の肉は好物である、水の魔気を纏っており火属性土属性水属性の魔法を反射する。
普段は群れで暮らしている為近寄ると群れで攻撃して来る、群で大きな渦を作り他の動物を巻き込み捕食する。
《まあ魔法はあまり効かないと言う事じゃな》
《どうするんです?》
《どちらにせよあの渦を止めねばその先にある2階層への扉に近寄ることもできないじゃろ》
《その通りですが…》
《まあ見ておれ》
そう言うとマーシャは重力魔法で自分の重さを10倍にして海の底を歩き始める。
向かってくる魚たちは全てスキルで弾かれているのだがそれでも容赦なく襲い掛かって来るが、
マーシャは海底を歩いている為、こちらを襲うには群れから離れなければならないようだ。
「ゴー」
「ギュンギュン」
「ズバン!バシャン!ドンドスン!」
マーシャはゆっくりと歩きながら、ストレージから双剣を取り出す。
ウインドスネイプ:SランクRタイプの双剣、風の魔法を纏っておりどんな流れの中でも自在に振る事ができる。
全長1メートル、刃はややアールが付いていて切れ味は使用者の魔力によって増減する。
スピードとアジリティに+20の付加が付く。
相手には魔法が効かないが、目の前の海水にはどうだろう。
《それでは行くぞ、ソードハリケーン!》
魔法も少し含まれるがほとんどは力業、両手の剣を高速で数千回も動かす事により前方へ潮の渦を作り出す。
ほぼ物理的な現象なので銀ピラの体表を反射することなくあっという間に切り刻んで行く。
「ザシュズバザシュズバ…」
マーシャの作った渦に巻き込まれ魔銀ピラニー達の作っていた渦は霧散し、残ったピラニー達はバラバラになってマーシャめがけて突っ込んでくる。
《こやつらは食えないのが残念じゃ!》
切り刻まれた魔銀ピラニーは片っ端から魔石やドロップ品に変化していく、もちろんそれらはマーシャの指輪に付与された自動収集魔法によってストレージの中へと収納されて行くのだが。
《す すごい!》アローリア
《まさか これほどなんて…》シャーズ
《いつ見ても素晴らしいです》ロキシー
《後は任せるぞ》
数百匹いたはずの魔銀ピラニーは、残すは数匹のみとなっていたが、あえてマーシャは残しておくことにした。
《お おう》
《やりましょう》
《はいお任せください》
何故そうしたのかと言うと、目の前に金色の箱が現れたから、今までの流れだとここで現れた金色の箱は本物である確率の方が高い。
《ここでミミックと言うのも面白いのじゃがな…》
「パカッ」
金色の箱を開いてみると中には大きな七色の真珠と笛のようなものが入っていた。
《鑑定》
七色真珠:直径10センチの魔法の真珠、魔避け毒避けに効果、持っているだけで中級ヒールの魔法を使用できる。
水魔物の魔笛:水生魔物を使役できる(音楽的才能が無いと使用不可能)、対象の水生魔物のレベルはLV20(中級)以下まで。
《さすが金の宝箱、中々じゃな》
《まさか、海神様の落とし物じゃないですかそれは》アローリア
《そういう別名があるのか?》
《はい7色の大玉真珠の事をそう言います》
《まあまだ攻略は始まったばかり、この先も色々手に入るじゃろうからな》
《マーシャ様はLUK200ですから》
《え~》
海竜族の標準LUKは20~50、単純に言わせてもらえば普通以下であり70も有ればかなり運が良いと言う。
ましてや200超えのLUKを持つ人族などはマーシャ以外にはいないと言って良い。
※ちなみにLUKは上級鑑定魔法でなければ数値も分からない。
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