第68話 女領主のハニートラップにはまりました
「エロオさぁん、ごめなさいねぇ。やっぱり子種をもらいに来ましたわぁ」
何でここにセシル様がっ!?
あなた、ついさっき屋敷の食堂で、僕のことは諦めてやるから感謝しろって捨て台詞を吐いたばかりじゃないですかっ。
それなのに、「来ちゃった(テヘペロ)」とか有り得ないでしょ……
ホント貴族って奴はどこまで自分本位になれば気が済むのか。
はぁ~、とにかくこの場を何とかしなきゃですね。
「それはお断りしましたし、セシル様も諦めて下さったじゃないですか」
だいたい、どうやってこの宿屋を突き止めたんですか?
あぁ……最初からマルテとグルだったに決まってますよね。
セシルが食堂で僕に激怒したのも、その後にマルテが芝居がかった台詞で諦めてもらえて良かったですなと大声で言ってたのも、全てお芝居だった訳だ。
聞き分けの無い肉親をあざむくための煙幕だったんですね。
「下級使用人たちの多くはエルマン派なのよ。貴方を諦めたフリをしておかないと、本当に暴発する愚か者が出るかもしれないじゃなぁい。フゥ~~」
お色気ムンムンのセシルが近寄ってきて僕の耳に熱い吐息を吹きかけました。
「いや、ホント困ります。僕はまだ……あ、そこはダメですって……んんっ」
愚息をまさぐる右手のタッチが絶妙すぎる!
この女領主、歴戦の強者だ。
ドSで女王様だった元カノ達と良い勝負かもしれない……ゴクリ…
「貴方、デブ専なんでしょう? セーラのたるんだ胸をねちっこくこねくり回したうえに、乳首までいじくり倒して母乳を飲み干したそうじゃなぁい」
くっ、セーラさんそんなことまで手紙に書いたんですかぁ。
おっほぅ、そのセーラさんに負けない爆乳を押し付けてきましたよ。
こんなんされたら、フル勃起してまうやろー。
「あ~ら、やっぱりそうだったのねぇ。胸の脂肪を当てただけで大きくなってきたわよぉ。さあ、あとはベッドでゆっくりと愉しみましょう」
そう言いながらセシルは僕を引っぱっていく。
辿り着いたベッドは、こじんまりした宿屋には不釣り合いなほど大きかった。
きっとここは、セシルの秘密のヤリ部屋なんでしょうね。
でもダメだ。こんなハニートラップにかかったら死地に立たされる。
「本当に僕はまだ死ぬ訳にはいかないんです。勘弁して下さい……!」
「竿師のくせに往生際が悪いわよ。ここでやろうとやるまいと、私が屋敷に戻って貴方と性交してきたと言えば結果は同じどころか、むしろ悪くなるわね。皆に秘密で種付けをする方が危険は少ないの。我慢しても意味が無いって分かるわよね?」
薄暗いヤリ部屋の中で女領主の不敵な笑みがボンヤリと浮かび上がる。
殴りたい、その笑顔。
「その怒りを私の肉体にぶつけても良いのよぉ。セーラにしてるみたいに、貴方の好きなようにすればいいわぁ。子種をたっぷり出せば全て不問にしてあげるぅ」
くっ……この人、フェロモンの化身みたいでエロ過ぎるよ。
我儘も傲慢も似合い過ぎてて怒りより欲情が先に湧き上がってしまう。
それに、ここで僕が突っぱねても、セシルが僕に種付けされたと吹聴して回れば最悪の結果になるというのは正しい。
それなら、極秘裏の内にセシルと肉体交渉を続ける方が確かにマシだ。
結論が出たら、あとはもう速攻で終わらせるだけです。
秒でマッパになると、スキル如意棒で愚息を15センチ砲へと強化しました。
男の欲棒を目にして本格的に発情したセシルも服を脱ぎ捨てます。
僕は自己チューな言葉を吐き続けた唇を塞ぎながら女領主を押し倒しました。
「おい、そこまでだ─────」
なんの気配も無かった背後からスッと首元にナイフを当てられました。
扉の開く音も聞こえなかったので最初からこのヤリ部屋に潜んでいたのか。
だけど、一体どうして? 理不尽じゃじゃないか?
僕は、我儘な貴族様の言う通りにしてるだけなのに……ゴクリ…
「─────御当主様はとうに気絶しておられる。その辺にしておけ」
ですよねー。
小一時間前、このベッド上での戦いは五分五分で始まりました。
僕のベロチューを正面から受け止めてなお反撃してきたのは、この異世界ではセシルが初めてです。さすが男爵家当主、これまで数多の愛人たちと激戦を繰り返してきた証拠でしょう。しかし、それでもまだ僕に分があります。
何故なら、この異世界の女性は舌も性感帯だから(男もかも)。
徐々に僕のペースに持って行くと、ついにセシルの肢体から力が抜けていく。
そこからは完全に僕のターンでした。
指と舌の絶頂フルコースを御馳走してから、満を持して愚息が突撃開始。
6度目の絶頂の時に僕もタイミングを合わせて白いマグマを噴出させました。
しかし、敵もさる者。
子種(魔力)が特盛の一番搾りを喰らっても魔力中毒で失神しませんでした。
ただ、第二ラウンドは魔力ハイによるキメセクになります。
1回目以上に激しくよがり狂ったセシルへ2発目を喰らわせました。
それでも、女領主はまだ倒れません。
これには不覚にもちょっと感動してしまいました。
とはいえ、もうグロッキー状態で腰は使えない。
どうするセシル?
なんと這いつくばって僕の肉棒ににじり寄るとパクっと咥えてきました。
そのまま素晴らしい技巧で3杯目のホワイトソースを搾り出して飲み干すと、今度こそ幸せそうな顔で気絶なさったのでした。
だがしかし、僕の愚息はまだギンギンで萎えない!
レベル3になった時に精力値が5になったので、5回射精するまでファイティングポーズを崩さないタフガイになっているのです。
仕方ないので、マグロ状態のセシルの爆乳に挟もうとしたその時でした。
若い女性の声が鼓膜を、冷たいナイフが首筋を刺激したのは………
「セシル様の陰護衛とお見受けしますが、竿師として鍛えあげた我が肉棒は、あと二度ほど精を吐き出させないと鎮まらないのです。どうかお見逃しを」
「意識の無い御当主様の体を弄ぶなど、見逃せる訳がなかろう」
こんな場所での護衛を任されるだけあって忠誠心が高い。頭が固い。
これは引いてくれそうにないですね。
となれば、選択肢はあと一つだけです。
「それでは、あなたが僕の相手をしてくれませんか?」
「フッ、貴様は何も分かっておらんな。私の姿を見てもまだ同じことが言えたら、いくらでも相手になってやろう。ククク……」
ナイフを収めた陰護衛は、シュタっとベッドから飛び降りて仁王立ちした。
振り向いた僕は部屋の暗さのせいで、女の正体がボンヤリとしか見えない。
女性らしい豊かなカーブが美しい長身のシルエットは、何故か半裸のようで惜しげもなく肌を晒している。その肌の色がどうにも妙な色合いに見える……
「凡人のお前にはこの薄闇では見えぬか。これでどうだ!」
突然、女護衛の両隣に大きな紫色の炎が出現して部屋を明るく照らし出した。
そして、さっき感じた違和感の正体もあらわになる。
「は、灰色の肌………あなた一体、何者なんです……っ!?」
異世界でありがちな、亜人なのかもしれない。
それとも、ガミラス星人みたいなこの星にとっての宇宙人なんでしょうか。
「見ても分からぬとは、凡人どころか愚人だったか。所詮、交尾しか能の無い竿師という訳だ。仕方ないから教えてやる。一度しか言わぬから心して聞いておけ」
「はい、お願いします」
生まれて初めて見る常識外の人種に気圧された僕は、ベッドの上で裸正座になって灰色の美女の答えをじっと待ちます。
神妙な僕の態度に気を良くした陰護衛は、大きな胸をそらして口を開いた。
「私は、妖精の血が色濃く流れる─────クォーター・ダークエルフだ」
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