第33話 職場エッチをクリアしました 執務室編

「放置されている畑に新たな作物を植える、と仰るのですか……ッ!?」


 馬小屋でマルゴさんと3連発した後、二階のお風呂で体を洗ってから自室で今後の活動を整理しました。その際に、領主であるセーラさんに領地改革の具体的な話をウッカリ報告し忘れてたことが発覚したので、昼食後に一緒に執務室へ行き、まずは農地の再利用から切り出した次第です。


 この反応を見るに、事情を知ってるキャシーから何の報告も受けてないみたいですね。理由は分かりませんが、ともかく僕の口からちゃんと伝えておかないと。


「そうです。村の、もとい、町の見学をした時に、農民が去っていって荒れ果てたままの畑がたくさんあることが分かりました。残ってくれた農民も、エルフの祝福が無くなったために、畑の三分の二は休ませている状態みたいですね」


「その通りですわ。戦争が全てを変えてしまいましたの……」


「そこで、トウモロコシですよ。母国の穀物なんですが、春先に種を蒔いて夏には収穫できます。そのまま食べても美味しいですが、挽いて粉にすればパンだって作れますよ。家畜のエサにも使えますしね」


「そのような優れた穀物があるのですか……是非、お願いしたいですわ!」


「承知しました。種と肥料と農具を仕入れておきます。それから、果樹園を荒らすダイオウコウモリの件ですが、ジェロ監督と相談した結果、討伐するための武器を僕が無償で提供させて頂くことにしました」


「んまぁ、それは大変有難い申し出ですが、そこまでエロオさんに甘えてしまう訳には参りませんわ……」


 大机に座っているセーラさんは、うつむき加減になって戸惑いと嬉しさが浮かんだ表情を隠しています。そんな仕草もエロ可愛いですよマイハニー。


「いいんです。あなたは僕にいくらでも甘えていいんですよ。僕たちはもう特別な関係なんですから。では、これも決定ということで」


「…もォ、こんな大年増の後家を有頂天にさせてどうなさるおつもりなの?」


「もちろん、幸せにするつもりですよ」


 ふふふ、絶句して頬を染める美魔女もまた良しです。

 あとでまたタップリと可愛がってあげますからね。

 そのためにも、とっとと話を進めていきましょう。



「教会再建のために、大工のクルトに建物の補修を依頼してきました。こちらも僕が費用を出させて頂きます」


「教会の再建ですかっ? それはこの町の悲願ですわ!」


「領民の誰もが望んでいましたので、早急に手を打ちます。受け入れ態勢を整えつつ、招聘する司祭を探すつもりなのですが、セーラさんに誰か心当たりは?」


「この司教区を統括するロレンソ司教に嘆願書を出してはいるのですが、色よい返事は戴けないままですわ……」


「そうでしたか。リリアンに聞いたのですが、僧院におられる修道士の中には叙階を受けて修道司祭となられている方がいるそうですね。どこかの修道司祭を口説いて町に招聘することはできませんか?」


「恐らく無理ですわね。修道士は俗世と関わりを断って己の信仰を追求する者たちですから、僧院を出てこの町に来て戴くのは非常に難しいのです」


「なるほど。でも、そんな奇特な修道司祭がどこかにきっといますから、僕のほうで探してみますね。何とか教会の補修が終わるまでには」


「感謝致します。私の方でも伝手を頼って探してみますわ」


 この異世界に何のコネもない僕より、最下位とはいえ特権階級で男爵家とも繋がりがあるセーラさんのほうが、人探しは適任でしょうね。

 だけど、僕も一人だけ頼りになりそうな人を知ってますから……



「あと一つ、報告というか相談があるのですが宜しいですか?」


「勿論ですわ。遠慮なさらず何でも仰って下さい」


「実は……水車小屋のジャンから妻のリリアンを抱いてくれと頼まれました。本人もそれを望んでいるようなのですが、このような行為はこの国の倫理や教義に反して問題になったりしないのでしょうか?」


「全く問題ございません。どうか私からもお願い致します。男不足で熟れた身体を持て余している領民の女たちに、エロオさんが潤いを与えてあげて下さい」


 キッパリ問題ないと断言されました。

 まるで、私がルールブックだと言わんばかりのドヤ顔で。

 現代日本人の倫理観を持っているとどうにも腑に落ちないですけど、こんな風に言われたら納得するしかないですよねえ………

 僕の困惑顔を見て心配したセーラさんは、後付けで補足をしてくれます。


「ジャンはもう40近くになってますので、性欲が減退してしまっているのです。それにリリアンとは連れ添って長いですから、もう欲情できないのでしょう」


 妻じゃなくて家族になってしまってセックスレスになるという話は、よく聞くからその点は納得できますよ。40代でダメになるってのは恐怖しかないですが。


「そ、そうでしたか……それではリリアンも辛いですよね」


「そのような場合、夫の弟や従弟などに妻の相手を頼むことが多いのですが、戦争で男たちの多くが亡くなったり町を去ったりしましたから……」


「それで僕の出番ということですか」


「以前は、流れの竿師がやって来ては、女たちに潤いを与えてくれていました。ですが、ここ数年はパタリと姿を見せません。そんな時に現れたのが類まれな子種をお持ちのエロオさんです。私は天の配剤だと思っておりますわ」

 

 流れの竿師というパワーワード。

 そして、竿師といえば、僕のジョブの一つですよ。

 これはもうホントに天の配剤というか、召喚天使トリカさんの陰謀でしょ。

 絶対にあのウッカリ天使が裏で糸を引いてるに決まってます。

 そういうことなら乗っかっておきますかね。このビッグウェーブに。


「領主のセーラさんがそこまで言われるのなら否応はありません。領民の健全で潤いのある性生活のために一肌脱がして頂きます」


「あぁ、本当に有難う御座います。領民を代表してお礼申し上げますわ」


「では早速、領民の一人であるセーラさんに潤いを注入させて頂きます!」


 執務室の大机の前に置いてある来客用の椅子から立ち上がった僕は、女領主の背後に回って熱く抱き締めました。

 この流れを察していたのか、セーラさんは抵抗するそぶりを見せません。

 座っている身体を抱き上げて大机の上に乗せると、ハイウエストのロングスカートを大胆にめくりあげて秘所に顔を埋めます。


 舌で整えた肉壺に、スキル如意棒で強化された15センチ砲をぶち込みます。

 両手を僕の首に回し声を押し殺しながら快楽に身を震わせるセーラさんを存分に喜ばせてあげてから、1発目の元気汁を御馳走してあげました。


 そのまま椅子に座って2発目を、机にうつ伏せにしてバックから3発目を注入した後、失神したセーラさんをスキル回復Sで僕と一緒に回復させて、イチャコラしながら他の細々したことを打ち合わせし首脳会談を終えたのでした。




「あーっ、噂をしてたら本当にエロオが来たーーーっ!」


 セーラさんと執務室で情事を楽しんだ僕は、10日後に補修が終わるガラス細工の店のために、聡明な少女ミュウちゃんの家にチャリで来た。

 ノックをしたらどうぞと言われたので扉を開けて中に入ると、いきなりベルちゃんに大声を出されてビックリしたところです。


「お邪魔します。ベルちゃんも来てたんだね」


 家主のリリアンに勧められた椅子に座った途端に、今度は対面にいる婿のジャンから大声で吠えられます。


「エロオさんよぉ、あんたまたやってくれたってな! 恩に切るぜ!」


「ちょっと何を言われてるのか分からないですね」


 最近、いろいろ有り過ぎたから何のことかピンと来ないんですよ。

 えーと、あ、昨日のレジーの足を治した件が伝わってきたのかも。


「いやですわ、トゥモロッコスのことに決まってるじゃありませんか」


 そっちでしたかー。

 しかも、トウモロコシが伝言ゲームでおかしなことになってるし。


「トウモロコシのことでしたか。それなら、春先に種を蒔いてもらって、夏に収穫できる予定です。この地でどのぐらい育つのかやってみないと分かりませんが、全力で取り組みますからきっと上手く行きますよ」


「お父さん、絶対に上手く行くから、うちの粉ひきの仕事も忙しくなるわよ」


「ミュウの言う通りだ! 水車のメンテしっかりやらねえとな」


「別に今のままでいいって。仕事が増えたら遊ぶ暇がなくなっちまうよー」


「このバカチンがぁぁぁっ!」

 

 あ、また始まりましたね。ジャンとザックのドタバタ親子劇場が。

 さすがに食傷気味なんで華麗にスルーしときましょう。


「仕事といえば思い出しました。リリアンさん、この村に開く僕の店で娘さんを雇いたいので、どうか了承してもらえませんか」


「ええ、ええ、ミュウから聞いてます。もちろん喜んで承諾させてもらいます

よ。エロオさん、どうか末永く、娘のことをよろしくお願いします」


 リリアンはわざわざ席を立って近づいてくると、両手で僕の右手をギュッと握って本当に有り難うございますと心から礼を言ってくれました。

 でも、このボディコンタクトには、お礼以外の感情も伝わってきますね。

 間違いなく、例の件でしょう。

 セーラさんからGOサインも出たことだし、予約を入れておきますか。


「僕の店の改修は10日後に終わります。その翌日から開店準備を始めますからミュウちゃんと一緒にリリアンさんも見に来てくださいね」


 そう耳元で囁きながら、僕も両手で人妻の手を握り返しました。


「エロオお兄さん、私たちの為にしてくれてありがとうございます」


 僕たちの様子を隣で見ていたミュウちゃんの訳知り顔にドキドキです。

 これ、きっと分かってるんだろうなぁ。

 まだ10歳だというのに、ホント頼もしい子ですよ。


「ボクも手伝ってあげるからね! チョコパンとラムネよろしく!」


 ベルちゃんの子供っぽさが際立ちすぎてホッコリしますよ。

 こういうので良いんですよ。10歳なんて本当は。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る