第4話 盗んだスキルで精子出すぅぅ
───ドビューーー!ビュルルルビュルッビュル
肉棒だけでなく全身がビクンビクンと痙攣した。
勢い良く飛び出した男汁がトリカさんの顔を真っ白に汚していく。
ビックリするぐらい出た……こんなに出たのは人生で初めてだよ……
「スキル『如意棒』のサイドエフェクトで、精液6倍になってます!」
顔中に広がった白濁液を指ですくって口に入れながら天使様が説明してくれたけど、生涯一の快感の余韻に浸っていた僕は生返事しかできなかった。
「……んんん、ハイ大丈夫です! 元気な子種がたくさんいますよ!」
「…そ、そうですか……ハァ、ハァ…」
総身が震え腰が抜ける程の射精で僕の息はまだ荒い。
油断したらストンと座り込んでしまいそうだ。
「では、スキルの検証確認は全て終了しましたので、ヘイローさんにはご自宅へ帰還して頂きますね。次回の召喚の為に英気を養っておいて下さい」
「えっ? ……ハァ、ハァ…」
いやちょっと待って下さいよ。
まだ他にもいろいろ確認したいことがあるんですからっ。
「こんなに熱いザーメンを浴びせられたせいで、私の身体も火が付いてしまいました。直ぐに彼氏の所へ行かないといけません。それとも……ヘイローさんが逞しくなった如意棒でこの疼きを鎮めて下さいますかぁ?」
ごめんなさい。無理です。
さっきので生涯一の賢者タイムに入っちゃいました。
しばらくは役に立ちそうにありません。
「もぉ、たった一回で使えなくなるなんて若いのに情けないですよ」
「ハァ、ハァ……面目ないです…」
「じゃあそういう訳で、またのお越しをお待ちしてます!」
だからまだ聞きたいことが────
僕の言葉が声にならない内に体がシュウィンと転送されていた。
「あれから、もう二週間か……」
召喚天使のトリカさんや異世界のアナベルたちと僅かばかりの邂逅をして直ぐに分かれてから、現世の日本ではそれなりに時間が流れていた。
僕はというと、未だにダメ社会人ではあるけど、前向きに進んでいる。
今年の4月に入社した会社を半年足らずで辞めてアパートで燻っていた僕だけど、異世界召喚という奇跡体験をしたことで活力を取り戻しつつあった。
異世界から帰還して、まず最初にやったのが、スキルの確認だ。
パソコンの前に座りエロ動画を観ながら、スキル『如意棒』を発動させる。
ちゃんと15センチあった。感動した。
ここ地球でもあの不思議なスキルは使用できた。これは夢が広がるぞと。
そのままシコって射精した。すぐに賢者タイムが訪れる。
そこで僕は、回復Sのスキルを試す。
「リカバリー」
すると、賢者タイムがキャンセルされ僕はまたエロ動画にムラムラした。
回復Sは性欲まで復活させることが実証された瞬間だった。
万能回復という看板に偽りなしだなと感心しつつ、再びファイティングポーズをとった愚息を如意棒で15センチにして右手で刺激する。1回目と同じぐらいの量の射精をした。
ここでまたリカバリーを使って同じように自慰を繰り返す。
「4回目はダメみたいですね……」
如意棒と回復Sを3セット終えた後、4回目の如意棒は効果が出なかった。
スキルは6回使用すると打ち止めのようだ。
ただ、翌日にはまたスキルを6回使えた。
これまで検証した結果では、6時間ぐらい睡眠をとるとスキルポイントが復活するっぽい。
スキルのお陰で挫折した人生に光明を見出した僕は、再就職するべく日中は外に出かけた。
ハロワに行って目ぼしい求人先を見つけると、その会社の周囲を下見した。
まだ面接を受けたりはしてないが、これはと思えるのに出会えたらトライしてみるつもりだ。今は心のリハビリ中なのでしばらく先になるとは思うけど。
そんな感じで、家では特殊オナニー、外では職探しの真似事を満喫していた10月半ばの夕暮れ時、僕はスーパーで買い物をして自転車で帰宅していた。
「この辺、両隣が林と田んぼで誰もいないから暗くなると怖いよね……」
スーパーのあるバス通りから山へ向かう緩い坂道となる路地を200メートルぐらい進んだところで、心細さが思わず口をついて出てしまった。
この漠然とした不安は、アナベルに召喚された石造りの薄暗い空き家を思い出すよ。あの子達、元気にやって────
「元気にやってましたか、へイローさん? 地球では2週間ぶりですね!」
「……はい、僕は元気です。だけど、このタイミングで呼びますか?」
前かごに買い物したスーパーのレジ袋が入った自転車ごと転送されたよ。
ちなみに着てるのはビジネススーツだったりする。
周囲にニートだとバレたくないという見栄がそうさせた結果だった。
「いえ、これこそベストタイミングでしたよ! この2週間、へイローさんは何度も召喚されていたのに、間が悪くて全て失敗してましたから」
「ちょっと仰ってることがよく分からないですね」
「簡単に言いますと、人目がある場所では召喚できないんですよ」
「それは知りませんでした。だけど、僕にも生活がありますから、一日中ずっと家に一人で籠ってるわけにもいきませんよ」
「お説ごもっとも! さあ、たまたま人目の無い場所で召喚されたこのビッグチャンスを有効に活用しちゃいましょう!」
まぁ別に良いですけどね。
拒否したらスキル剥奪なんてのも嫌ですし。
「でも、今回は出てませんね。フラグ破壊のビックリマークが」
「今回の召喚は、お約束じゃないパターンということですよ!」
「了解しました。ですがっ、異世界に送られる前に聞きたいことがあるので、まだ転移しないで下さいよ」
さすがに僕も学習した。
一刻も早く召喚を終えて実績を上げたそうなトリカさんに釘を刺しておく。
「この2週間でスキルを満喫されていたようですが、まだ何かありますか?」
ニヤァと不敵な笑みを浮かべる召喚天使に全僕が震撼した。
まさか…全て見てたんですか……僕の素敵なオナニーライフを……っ!?
「盗んだスキルで精子出すぅぅ、尾崎ですね、分かります!」
「ちょ、何で覗いてるんですかぁ……それに、スキルは盗んでないでしょ」
「あれだけスキルを大盤振る舞いしたのに、たった1時間で異世界から帰ってくるなんて、盗んだようなものですよ!」
「くっ……申し訳ありませんでした……」
「良いんですよ。むしろ若さと性欲を取り戻してくれて喜んでますから」
なんで喜んでるのか分からないけど、この羞恥プレイは耐えがたい。
さっさと聞きたいことを聞いて、異世界へ逃げ出そう。
「SP(スキルポイント)はどうやって増やすのですか?」
「功績ポイントを貯めてレベルアップすれば良いんですよ!」
「功績ポイントですか……それを稼ぐ方法は?」
「禁則事項でハッキリと言えません。でも、その為のスキルを与えてありますし、これまでにヒントも出してます。それで察して下さい!」
スキル?
僕に与えられたのは、フラグ破壊と回復と治癒と如意棒だな。
その中でフラグ破壊は僕が望んだものだ。
てことは、勝手に付けてくれた回復と治癒と如意棒がカギか……
ヒントって何だろう?
特にそれっぽいことを言われた記憶がないんだけど……
「それでは、今度こそロマン溢れる異世界召喚をお祈りしてます!」
まだ考え中だったのに、せっかちなトリカさんは僕を転移させた。
再び黒い穴に吸い込まれる気持ち悪い体験をしながら、今度はどんな人に召喚されるのだろうと不安に襲われつつも、やっぱりちょっとワクワクしていた。
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