第3話 天使の手コキ
「プロミスブレイカー」
『フラグを壊しますか? <はい> <いいえ>』
目の前に現れたタッチパネルの<はい>を迷わず押した。
今回もビックリマークが消えただけで、周囲には何の変化も無い。
だけどこれで、フラグが折れたはず。状況が好転するはず………たぶん。
「ベルちゃん、まだいる?」
やった!さっき帰って行った女の子が戻って来てくれた!
きっとこの子が何とかしてくれるんだね。そうだと言っておくれ。
「ミュウちゃん、どうして戻ってきたの?」
「きっと二人とも困ってるだろうと思って。お兄さん、これパンとブドウ酒です。よかったら食べて下さいね」
「本当にありがとう。遠慮なく頂くよ」
青いセミロングの髪をした少女から施しを受け取ってお礼を言った。
見るからに賢そうな顔をしてるし、言動もしっかりしてる。
この子なら本当に打開策を提案してくれそうだ。
僕たちは、ミュウちゃんに現状を説明した。
腕組みをしてしばらく考えていた青髪の少女は、何かを思いついたようにハッと目を見開いてアナベルを見た。
「魔導書を最後まで読めば、元の世界に返す方法も書いてるんじゃない?」
その通りだった。
魔導書の後半に載っていた帰還の呪文をアナベルが唱えると、僕の体は転移された。別れの言葉を言う暇すらなく、あっという間に。
「ヘイローさん!? もう帰って来ちゃったんですか」
「フラグ破壊が一発でやってくれました」
飛ばされた先は、召喚天使トリカエルのいる応接間だった。
自分の部屋に転移されると思ってたらココでしたか。
でも、ちょうど良い。この天使には聞きたいことが一杯あるんだ。
「ろくに説明もしない内に、異世界に送るなんて酷いじゃないですか」
「大サービスしてあれだけ手厚いスキルを与えたので、何も問題無いと思ったんですが……まさか向こうで想定外のトラブルでもありましたか!」
1から10までトラブルしかありませんでしたよ。
僕は、異世界で起こったことを可能な限り詳細に伝えた。
「なるほどです。お子様の暇つぶしで召喚されちゃったんですね。ただ、フラグ破壊のスキルが正常にお約束を排除した結果ですから、そこはご容赦下さい」
「まぁ確かに、今まで聞いたことも無い新手の召喚だったのは認めますよ」
「ところで、ネズミに噛まれた時にどうして治癒を使わなかったのですか?」
「だって、まだ治癒の使い方を教えてもらってないですもん」
「あれ、そうでしたっけ? ウフフフフッ」
笑ってごまかすなんて、この天使様、ハズレかもしれない。
あまり信用しちゃダメな感じだよ。
「そもそも、治癒と回復の違いすら僕には分からないですから」
「治癒は怪我や病気を治すスキルで、回復は体力や気力を文字通り回復するスキルですよ」
「僕にくれたのは『治癒A』と『回復S』でしたけど、このAとかSって?」
「治癒と言っても、怪我に病気、火傷にメンタルと色々あるじゃないですか。『治癒A』は怪我を直してくれるスキルになります。そして『回復S』は凄いですよぉ。なんと万能回復です! 体力・気力・魔力なんでもござれ!」
「へぇ、それは本当にすごいですね」
「感心して頂いたところで早速ネズミの噛み傷に使ってみましょう。治癒のキーワードは、そうですね……やはり『ヒール』が無難じゃないですか」
それで良いかと視線で問われた僕は、特に異論はなかったので一つ頷いてから、ネズミに噛まれた右足のスウェットをまくり上げて、傷口に右手を当てる。
「ヒール」
温かい光が傷口を覆うと一瞬で怪我が癒えた。
こりゃすごい。まさにマジックだ。
「お見事です。次は回復ですね。キーワードは『リカバリー』あたりがそれっぽくて良いのではないでしょうか」
これも特に文句はなかったので、そのまま採用させてもらった。
「リカバリー」
何やら周囲のエネルギーを吸い取ったような感覚がする。
そして、深夜に寝ているところを召喚されドタバタやってきた肉体的・精神的疲労が完全に回復された。眠気もどこかに吹っ飛んだ。
さらに、小腹が空いてたのに今は食欲が失せているのには驚いた。
本当に全ての消耗を回復するみたいだ。
この万能回復ってもはやチートですね。。有難く活用させてもらいましょう。
「ご満足頂けたみたいですね。それでは最後の如意棒ですが、キーワードはやはり『デカマーラー』か『ウタマーロウ』が相応しいかと」
「なんで交響曲の大家や有名な私立探偵っぽくしたんです?」
「多方面に配慮したのですが、余計だったでしょうか」
「余計な配慮というか、普通に『如意棒』のままでいいですよ」
「そうですかぁ、割と自信があったので残念です。それでは気を取り直して、早速ここで試してみましょう!」
瞬きをしている間に、スウェットがパンツごと引きずりおろされ、しゃがんだ体勢のトリカさんに僕の息子を弄られていた。
「速っ……!? さすがにこれは、天使様にあるまじきワイセツ行為では?」
「勘違いされては困ります。これは担当天使の私がしなければならないスキルの検証ですから!」
もっともらしいことを言いながら、トリカさんはシコシコと刺激を強める。
────ムクムクムクムク
天使の手コキという極上のシチュに僕の愚息はたちまち元気になった。
「……長さ12センチ、直径3センチですか。なるほど、地球人の平均値を下回っていますね。これでは短小と罵られても不思議ではありません」
「ぐぬぬぅ……」
「ご安心下さい。その為のスキルです。さあ、キーワードをどうぞ!」
「如意棒」
股間に熱い刺激が走り、ムクムクとさらに肉棒が膨れ上がる感覚がした。
「……やりました! 長さ15センチ、直径4センチです!」
トリカさんは僕の肉棒を握ったままパァっと眩しい笑顔で朗報を告げると、一回り成長した息子をそのままシコシコと手コキ再開。
「…あの……もうそれは必要ないんじゃ……んんっ…」
「まだ、種無しかどうかのチェックが終わってませんよ」
「あります、種はありますからぁ…‥‥んっ、うぁぁぁ…」
「ダメです。ちゃんと調べておかないとヘイローさんの命に関わりますから」
「…ど、どういうことですか…あぁぁっ…」
「魔力が無い為に異世界で危険な目に遭ったばかりじゃないですか」
「それと何の関係があるんですかっ……もぉ…ヤバイですぅ…」
「異世界で生まれた人の命には魔力が宿るんです。つまり、向こうで作られたヘイローさんの子種にも魔力があるってことですよ!」
「じゃあ異世界に行ったら、とりあえず射精し尽くして新たな子種を作るようにすれば良いんですね……って、本当にもぉ…出ちゃうっ…!」
「…良いのよぉ。私の顔にいっぱいブッカケなさい」
これまで快活なお姉さんという印象だったトリカさんが、急に女の顔をして卑猥な言葉を吐くと、舌なめずりしながら熱を込めて右手を加速させた。
卑怯だっ。意表を突いてエロ度を急上昇させるなんて……
こんなのもぉ耐えられないっ………うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
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