第3話
ミーンミンミンミン…ジー…
夏とはうるさい季節なのかもしれない。色々なセミが大合唱である。8月に入ればツクツクボウシもいてさらにうるさい
私、広美は家でゆったりとしていた。今日は何もない、休日だった。
明子は残念ながら休日出勤。しかも急に来てほしいと言われたため渋々行かざるおえなくなった
玄関で見送って、私は休日をゆったりと過ごしていた。ここはセミがうるさいだけでそうでもない
明子に連れられて色々なとこ行ったなあ。ウナネにある公園を巡ったり多摩川歩いたり…でもまだ足りない
時期が時期なため自転車で行ったり歩いたりすると熱がこもって熱中症になりそうだ。熱中症になったことないけどね
昼…適当にごはんを食べて冷房の聞いた部屋でゆったりしてた。冷房入れないとエライことになるしね
…そうだ。マップを開いてみよう。まだ見ぬ気になる地域があるかも?私はスマホでマップを開いてみる
マップを開き、拡大したりして確認して見る。うーん。特別なとこはなさそうだ。さすが都会の秘境
しかしちょっと私達の住んでる場所から離れたところに気になる場所があった。「次大夫堀公園」
え?これ変換候補で出るの?試しにうってみたらさすがに出なかった。なんとマイナーな…
公園?としても結構な広さかもしれない。私はここへなんとなく行きたくなった。そうだ。まだ時間あるし行ってみよう
私は軽装な服を着て玄関を出た。玄関を出ると太陽の日差しが出迎えてくれた。あっついなあ
歩きでは無く自転車で行くことにする。ちょっと距離があるからだ。自転車にまたがり、出発した
家を出て、野川沿いまで来る。ここは相変わらず川のせせらぎが良い。川を見たら鯉が泳いでいた
ちょっと水浴びしたいなあ。とは思ったが我慢。野川沿いを上流方面へと向かう
…ふと思ったが野川沿い、まるで工場のような場所が多い。何をしてんだこれ??
その大きな工場っぽい場所は何も騒音も無く…なんて言えばいいのかしら。佇んでいた?と言えばいいのかな
後で明子に聞いてみないとわからないね。なんの工事なんだか…そんなとこをスルーしながら向かう
横断歩道を渡り野川沿いへ。おや?ここはどうやら道に名前が付いてあるみたいだ。確認してみた
「きしべの路」…と言うらしいわね。へー。碑があったため確認ができた。位置情報ゲーでもポイントあるのかな?
そんな通りを自転車で走っていく。あまり人もいない。確かここを真っ直ぐ行けば次大夫堀公園へ行けるはずだ
ある程度行くとまたきしべの路の碑があった…んだけど残念ながらかすれてて読めない
かすれてちゃ意味はないと思うけど…私はスルーすることにした
橋を抜け、ようやくそれっぽい樹木がたくさんある場所へと着いた。ここが次大夫堀公園かしら?
樹木で生い茂る公園へと着く。案内版があった。それを確認すると…次大夫堀公園であった
しかし、ここも工事があったのか。側にある公園が少々狭い感じがした。早く工事終わるといいね…
そんな公園を横目に自転車を降りて入る。樹木が日差しをガードしてくれてとても歩きやすかった
ん?小さい川がある。これは野川に流れていくのだろうか。その川を確認するとアメンボが多かった
アメンボって確か魚の血を吸うやつだったような…しかし魚はいなさそう。何をしにこの小さい川を?
虫にツッコミいれても仕方ない。私は更に自転車をひきながら歩くことにした
進むとトンネルが見えた。トンネル?上がちょうど道路なのか。私は何ひとつ表情を変えずにトンネルに入る
そこはパズルトンネルと呼ばれるトンネルらしい。通路の壁にパズルのような絵があった
なんだか響く音がするため大声出したかったが、注意書きに大声出さないでくださいと書いてたためだんまりを決める
トンネルを抜けた。微妙な温度のトンネルだったが、まあいいか。私は更に歩く
次大夫堀公園を案内するかのような道がある。その横にまた小さい川があった。うーんキレイな川だ
その小さい川には家族で何かをしているのが見えた。何をしてるだろう?
釣りっぽい棒をぶら下げて、待っていた。川を見たらザリガニっぽいのも見えた。あ、ザリガニ釣りね
そんなザリガニ釣りをしてる家族を見つつ、私は目的地の次大夫堀公園へと向かう
やはりというか当然というか。子供が多い…ほぼ全員、家族連れだろう。小さい川が流れているのは貴重なのだろうか?
多摩川だってあるのに。でもこういう小さい川のほうがいいのだろう。多摩川のような大きい川こそ危険がいっぱいだ
そうこうしてるうちに次大夫堀公園の門まで来た。民家園らしい。今の次代には合わない屋敷が見えた
えーとここは自転車通行禁止。盗まれる心配はないだろうが、私は自転車を止めて鍵をかけて門をくぐった
そこは広々としていた。ここが正門といったとこか。私は見学することにする
正門を抜けもうすぐに民家園があった。そこに行ってみよう
そこは大きい屋敷だった。こんな場所にこんな屋敷が…入れるだろうか?近寄ってみる
どうやら入れるようだ。入ってみたらまるで時代に残された。そんな民家であった。とても雰囲気の良い屋敷だ
えーと。調べてみたら江戸時代後期の古民家と土蔵、納屋、消防小屋などを移築復元したのがこの民家園…なんだって!
もう起動はしてないだろうが、こうやって貴重な民家を残してる部分に私は大いに感激した。素晴らしいわよこれ
そんな民家園をてくてく歩きつつこの民家園を調べてみた。江戸時代の民家園とはね…
色々と歩いたら満足した。私は正門に戻り自転車を動かす。子供達がザリガニ釣りしてる川は六郷用水っていうのね
どの物でもちゃんと名前が付いてあるこの地域…さすが昔ながらの街。都会とはまた違う雰囲気。たまらない
正門から更に六郷用水を歩いてみた。おや、水田があるじゃない。へー水田があるなんてね
…え!?田んぼ!?待ってすごい珍しい!しかもその田んぼもすでに植えられてあってすくすくと成長してるのが見えた
もしかして夜になったらカエルの大合唱始まるのかしら。しかしそれっぽいカエルはいなかった
ここは子供達が植えて、秋になったら収穫してお米を炊くのかな?そりゃ美味しいに決まってるじゃない
自転車を押して水田を見つつ歩いていた。凶作とか無しで大きく美味しく育ってね。そう思った
するともう道路になっていた。そろそろ公園の終わりかな?だが道路を挟んで向こう側もまだあるみたいだ
時間があるので自転車を押して向かう
…しかしそこは建物と遊具にない場所だった。水田は相変わらずありその広さに驚く
桜などが植えてあるため4月に来たらおそらくきれいな雰囲気だったんだな。とは思った
特別何もない。そろそろ戻るべきだろう。私は今日見学した場所に感謝の意味を込めて去っていく
家に戻ると明子がすでに居た。どうやら休日出勤は短時間で終わったらしい
明子「おかえり広美。どこ行ってたの?」
広美「マップ開いて気になった次大夫堀公園にいったのよ!」
そう言うと明子はあそこか~と思ってうなずいた
明子「次大夫堀公園ね。幼稚園や小学校では遠足の地域として有名な場所よ」
広美「明子も行ったことあるんだ?」
明子「もちろんよ。子供のころ行ったわ。でも次大夫堀公園は大人でも楽しめるのよ」
私ですら面白かったので明子の言ってる意味は嘘では無さそうだ
広美「シーズンを跨いで行ったらまた違う雰囲気になるのかな?」
明子「そうよ。稲刈り体験もできるのよ!まあ子供達だけど」
私は水田に驚いたため稲刈りはきっと楽しいに違いない。そう思った
広美「あんな古民家のある場所はあそこだけだろうね!」
私がそう言うと明子は思い出したかのように言う
明子「実は近くに他にもあるのよ古民家っぽいのが」
私は驚く。まだあったのか!と
広美「え!どこ?」
明子「オカモト民家園ってとこ。カマタを挟んで向こう側にある、それもなかなか歴史ある民家園なのよ」
広美「そ、そんなとこあるんだ…」
このウナネの他にまだそんなのがあるとは…私は驚くしかなかった
明子「暇ができたら行ってみましょう?」
2人で行ける約束ができた。私は当然答えは一つだ
広美「うん!行きたい!」
私は笑顔で言うと明子も笑顔で言ってくれた
明子「というわけで広美」
そう言うと私のほうに近寄ってきた
広美「何?」
明子「汗臭いわ。シャワー、浴びましょうね?」
あ…確かに汗びっしょりなまま帰ってきたんだ
広美「そ、そうね。そうするわ」
私は浴室へ直行することになった
ウナネの夏
今日は一段と雰囲気が知れた。そんな1日だった
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