第1話

東の国、ジパング。その都会から離れた場所、ウナネ。

ここは前まではたくさんの自然豊かな地域として恵まれた場所だった

しかし人口の増加や住みやすい街として注目を浴びると一気に家が立ち並ぶ街となった

住宅地でありながら近くに川があったりその近くには一級河川、多摩川のある場所として有名だ

一番有名なのは。と言われてもさすがに無いが…だが住みやすい場所である

畑などが残っている地域であるため無人販売から野菜を買うことができるのもとりあえず特徴だ

新鮮野菜を買えるというのはあまり都会では見ない。だからこそのこのウナネである

駅から離れてるためちょっと不便だが車があればいいだけの話なので超は付かない不便でもある

色々な場所でぽつんと楽しめる場所があったりする、秘境の地域である

そんなウナネにまだ新婚ホヤホヤの2人がいた

こんな夏のような気候で結婚してこの地域で住もうとした2人であった

「相変わらずこの地域はあまり変わらない…でも住宅が多くなったわね…」

ウナネ出身の彼女が言う。名前は上村明子。種族は人間だ

「昔はわからないけど、明子が言うならきっと多くなったんだろうね」

ぽつりと言う。名前は上村広美。旧名は半田。明子の嫁である

元々2人は都会で暮らしていて付き合ってるうちに明子からプロポーズ

本当なら都会のマンション一室でも借りようかと言う話があったが明子がここで住みたいと言いウナネに住むことになった

住むとき、家を建てるときもすんなりと行き結局ここへと来る

2人の家のリビングは新築でキレイであり何も汚い場所はない。新築の香りがまだする家である

今の季節は夏。空調も完備しており冷房を付けてのんびりしていた。飲み終えたコップに入れた氷がカランと言う音がする

そんな状態のまま広美は言う

広美「ねえ、私の人?」

明子「何?私のお嫁さん?」

そう言うと広美は目を見て言う

広美「ここってさ…ウナネ?って言うけどどんな場所なのかちっともわからないよ?」

確かにそうだ。有名なトウキョーとかならわかるだろうが、ここは秘境とも言われるウナネ…わからないのは仕方ない

結婚してここへ行こうとしたとき広美は全く反対はしなかったが、わかっていないままここへ来たのだから

そうだ。まだ夜まで時間あるし案内しよう。そう思い明子は広美に言う

明子「案内するわ。自転車でふらっと行ってみましょう?」

そう言うと広美は笑顔になる

広美「うん!行きたい!」

早速2人は外に出ることにした


2人は自転車に乗り早速外へ

最初に通った橋は広美は名もなき橋かな…と思った。しかし流れる川がわからない。早速質問した

広美「ねえねえこの川って何?」

橋の真ん中で止まり明子は説明する

明子「これは野川。自然もあって鯉やカエル、鳥も来る良い川よ」

そう言われると広美は橋の上から川をのぞく。水質がキレイなのか魚の姿が見えた

広美「わ!都会の川じゃまず見ない数の魚!」

広美は川を見て感動をするような声をあげた。更に明子は言う

明子「もちろん珍しい鳥も来るわ。サギも来るし翡翠(かわせみ)だっているわよ」

そう言うと広美は驚く

広美「え!翡翠いるの!すごい!めったに見ない鳥なのに!」

明子「声をあげて飛び立つの。だからここは写真家もよく来る川よ」

言われると広美はもう一回野川を見た。とても水質が良い川なのだろう。川の遠くを見たら泳いでる鳥を発見した

広美「あれカルガモ?」

明子「そうね。カルガモだっている川なの。子供引き連れて泳ぐ姿が可愛いわ」

広美「うーん!とても良い川!」

早速広美はこの野川に感動してしまったらしい。なら今度は冬になったら翡翠を見に行こう。そう思った明子だった

広美「満足した!次行こう?」

明子「ええ」

そう言うと野川を後にして次へ向かった


明子「実はこの付近にね。ひまわり畑があるのよ」

広美「わ~!ひまわりなんて最高!」

そう言うと明子を先頭にひまわり畑のある場所へと向かった…のだが…

明子「あ、あれ?」

明子の記憶では確かここはひまわり畑だったはず。しかし家が立ってしまっていた

広美「ねえ明子、もしかしてひまわり畑ってここだったの?」

ひまわり畑だったであろう場所はいつの間にか住宅が立っている場所のなってしまった

明子「…私がいないうちにひまわり畑、無くなっちゃったのね…」

そう言うと車が通り2人は道を空ける。明子はなんだかがっかりしてしまったようだ

明子「本当は広美にここ、紹介したかったけど…ごめんね」

広美「う、ううんいいよ。仕方ないよ時代だよ」

広美は果たして慰めてるのかわからない事を言ったが明子は残念そうな顔をしていた

明子「うーん…じゃあ水道道路抜けて公園にでも行ってみようか」

そう言うと2人はその場を後にした

広美「ね、ねえ明子。ここも公園?」

元ひまわり畑だった住宅地のすぐ横に公園があった

明子「ああ。ここはハンカチ公園っていうのよ」

広美「は、ハンカチ…」

その公園はブランコとすべり台があるシンプルな公園だった

広美「でもなんでハンカチって名前なんだろ…」

明子「わからないわね。でもウナネハンカチ公園っていうバス停もあるからまあ存在感あるでしょ」

そう言うと2人はその公園は見ていた

昼だが人がいない。そんな公園なんだろうと思った

広美「このぐらいかな。じゃあ行こうか」

明子「うん行こう」

ハンカチ公園を後にした


道路挟んで向かった先は公園。この地帯では3つの公園がある

水道道路を向かい側にある現在でも畑が残る地域…まずは小さい公園からだ

広美「ここは…?」

明子「ウナネ三角公園よ。これも割とシンプルな公園でしょ?」

その三角公園は三角に敷地のある公園。遊具は馬乗りのゆさゆさするものだけだ

広美「ちょっとまって…ここ…位置情報ゲームであるのかな…」

広美は持ってるスマホで位置情報ゲームととりあえず起動してみた。すると三角公園はきちんと存在していた

広美「あ。あるんだね。でもこんな小さくて公園とは…」

明子「公園の基準は色々だからね」

しかし広美は他の公園とは違うものを発見した

広美「! ポンプがある!」

そう言うと広美は自転車を降りてポンプのあるとこまで行く

広美「わー!これを押したら…!よいしょ…!」

ポンプの起動するものを押し何度も押したら水が出てきた。そんなものを初めて見た広美は感動する

明子「この公園はこれがあるのが特徴ね。他には見ないでしょ?」

広美「うんうん!わー!触ったら冷たい!」

明子「ちなみにここ、災害が起きたら仮トイレになったりそのポンプが水くみにもなるのよ」

相変わらず広美はポンプを起動して水を出している。珍しかったのだろうか

広美「ふー!満足!」

明子「満足していただけたかしら?」

都会にはあまりないこのポンプ。貴重なのか広美は嬉しい気分になった

広美「うん!次はどこかな」

そう言うと2人は自転車に乗り次の場所へと向かう


三角公園からちょっとだけ離れた公園

ここも公園のひとつであった。名前は「ウナネ一丁目公園」

2人がざっと見る限りでは遊具が見つけた。子供が満足しそうな遊具だった

広美「わ!ぶら下がり台じゃん!」

自転車を止めて行こうかと思ったら…

明子「広美、子供がいるわ」

すでに先客がいたのか子供が遊んでいる

広美「あ。だめだね…」

この公園の真ん中に樹木が植えられており遊具の他に健康器具もあった

三角公園ほどではないが小さい公園なので子供が占拠すればだいたいの器具は子供のものだ

ぶら下がり台にぶら下がりたかった広美だがここは大人の余裕を持って我慢することにした

広美「こうやって…まるで自分達のように遊ぶ子供…とてもいいね…」

明子「現代の子供に通じるかわからないけど秘密基地なんていう感じかしらね」

少しの間、一丁目公園で遊ぶ子供を見てた2人。そろそろ次の公園へと向かう

明子「次は3つ見た公園よりもっと広い場所よ?」

広美「うん!」

ウナネ一丁目公園を後にする


その公園はすぐにあった。しかも大事そうな公園の名前だった

広く、遊具と健康器具もあり思いっきり走り回っても決して誰にも邪魔されない。そんな公園があった

名前は「ウナネ東部記念公園」記念というから石碑がある公園だった

この時間でも遊んでいる子供が多い。むしろ大きいからこそ遊べるのかもしれない

変わってるのはこの公園の真ん中に丘みたいなものがあった。だが丘の周りには簡単な柵があった

ご丁寧にもトイレも完備されている公園だった。何かあってもここで用を足すことができるだろう

しかし柵の周りには芝生でも養生してるのだろうか?だが、広い。広美はその大きさに驚いた

広美「今までの公園とは違うね!ここは色々ある!」

明子「そうね。でも遊んでいる子供もいるわ」

とりあえずここでゆっくりすることになった2人。ベンチもあるので少しだけゆっくりする

今日はいい天気だ。暑い。だがそんな暑さでも遊ぶ子供がいて関心してしまう

広美「ここらへんに近接してる公園が3つあるなんてね…」

明子「どれも後から作られた公園だらけなんだけど、面白いわよね」

広美はまた位置情報ゲームを見た。やはりここもポイントとしてある。当然だろう

広美「ここに住む子供達、気分を変えて遊んでるのかな…」

明子「この地域は遊べるところが多くて子供は色々と駆け巡るのよ」

広美「公園めぐり、楽しそうだね」

そう言うと空を見上げた。雲ひとつもない天気。遊ぶのにはもってこいの天気だ

明子「…実はね、公園じゃないけど公園っぽいとこもあるのよ。行く?」

広美「うん!行ってみたい!」

2人はその公園を後にして広美は明子の後を着いていった


ウナネ東部記念公園から離れた場所にある…公園と呼ぶのかわからない場所があった

ちゃんと遊具があるため良いのだが公園と呼ぶものではない場所だった

広美はあたりを見渡し、この公園っぽいとこの名前を確認する。名前がわかった

広美「ウナネ…1-9遊び場…あ、あれ?公園という名前ではない」

もしかして。広美はすぐに位置情報ゲームを開いたがここにはポイントすら無い場所だった

広美「なんで遊び場なのに?公園。っていう単語じゃないとポイントにはならないのかあ…」

明子「よくわからないけどそうかもしれないわね?」

その遊び場には周りが家があり、天然芝なのか雑草も生えている。子供はいなかった

広美「ここは…ちゃんとした公園っぽいとこなのにね」

遊び場ではだめなのだろうか。そんなことを考えてた広美だった

明子「すぐ近くにポイントもあろう公園があるわ。行ってみましょう」

広美「うん」

そう言うと2人は自転車を漕ぎ、その場を後にする


その場所に着いた。公園が道路を挟んである公園であり、さっきの記念公園と変わらない場所だった

広美はまずその公園の名前を聞いて少しふふっとなってしまった

広美「ここは…ウナネ龍王公園。なんだそれ。ふふふ」

そう。龍王公園という名前だ。龍っぽくない公園だが龍という存在はいないので安心できる

もちろんここには子供がいた。ここも公園なので楽しい遊具だってある、そんな公園だ

広美は見渡して見て気づいたがモニュメントのようなものもありそれもポイントとなっていた

広美「へえ、しかもきちんとトイレもあるじゃん。記念公園と一緒だね」

そんな面白い名前のこの公園。広いので全力疾走したら疲れそうな広さだった

その公園を試しに歩いてみる。緑の芝生がとても心地良い踏みだった

子供もしっかり遊んでいる。そんな風景を見てたら明子がつぶやく

明子「昔、近くにある本屋で漫画買ってここで読んでめちゃくちゃ笑ってた記憶があるわ」

広美「何それ面白い!」

そう言うと2人は笑い合う。そろそろ日差しもあまり感じなくなった。夕日に近い

広美「…でもこの地域にはたくさんの公園があるってことがわかったよ。ウナネってそんな場所なんだ…」

明子「そうよ。でもね。もっと歴史的に価値のある建造物があったりするのよ。近くじゃないわ」

広美「価値のある建造物??」

明子「ウナネとは離れた場所のカマタ、キタミ、コマエ、オカモトがあるわ。そこはね…」

そこまで言うと2人の側にボールが来た。コロコロ…と転がってきた

子供「あ、すいません。とってもらえませんか?」

そう言うと広美はボールを持ち、子供に手渡す

広美「はい!元気があっていいね!」

子供「ありがとうございまーす!」

そう言うと子供はまたボールで遊ぼうとする

明子「ふふ、元気があっていいいわね」

広美「そうだね~」

そんな子供達を見ていた


自宅に帰った。今日は公園めぐりをして楽しい気分になった

リビングで2人は一緒にいる。今日のことを話していた

広美「こうやって案内してくれるの嬉しいよ」

明子「ふふふ。いつでも案内してあげるから私に頼りなさい」

広美「うん!いやー。汗かいたなあ。ちょっとシャワー浴びようっと!」

そう言うと広美は浴室へと行く。その姿を見て明子は思う

明子「…私が生まれ育った場所。ここはね。魅力的なとこなのよ。だから広美にたくさんその事を伝えたい。よろしくね」

明子は汗かいたのでゆっくりとジュースを飲んでいた


ウナネは風の吹く良い街

2人でこれからも色々な場所へと向かうことになるだろう…



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