第5話 エピローグ、あの言葉の真意

「生きたいっていう人を放っておけないって……すごいセリフですよね」


 あれから、それなりの月日がたった。

私は木島の家の縁側にいた。そう、私は彼の提案を受け入れたのだ。

 彼は缶ビールを飲んでいる。

 そして私の言葉に軽く吹いていた。


「あ、はい……言っちゃいましたね、言っちゃいました……」


「あの……現世に残りたがっている、怨霊っていろいろといそうな気もするんですけど、なんで私を連れ合おうって思っちゃったんですか」


 私は以前から疑問に思っていたことを、聞いた。

小首をかしげながら。

 木島は心臓が飛び出さんばかりに、動揺した表情を浮かべる。

その珍しい表情に、こっちがびっくりしてしまうと。

 頬をわずかに赤らめて、彼はぼそりと言った。


「あなたがキレイで可愛いかったからです……心の真っ直ぐさも、ドツボでした」


「え……」


 ……私はあっけにとられた。彼は何を言っているのか。

 そして彼の言葉に、私は、その、なんて返せばいいのだろう。

 もじもじとしてしまい、私と彼の間に妙な空気が流れ出す。

 急速に、顔がカーと熱くなっていく。それでも必死に言葉を出した。


「あ、もう……バカっ」


 消えいくような声だった。

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泣いたって逃げたって、よかったんです つづり @hujiiroame

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