大連敗!? 無勝不敗の人気馬
社会の格差が拡大する一方の昨今。勝ち組負け組という言葉も定着して久しい。
もちろん力が全ての世界である競走馬の世界にも、勝ち組負け組が存在する。
その中でも数多のレースで負け続け、結局一勝もできずに引退した負け組競走馬なのに、未だに高い人気を誇る馬が存在することをご存知だろうか。
その馬の名前をハルウララと言う。
競馬をやらなくてもこの馬のことだけは知っているという方も多いだろう。
,00年代前半にハルウララブームが巻き起こり知名度は抜群だからだ。
この馬,98年に高知競馬場でデビューすると、何戦しても負け続け、あまりの負けっぷりに新聞で取り上げられた。
その記事をテレビが取り上げ、ハルウララの名前は一気に全国の家庭のお茶の間に広がることになった。
折しも,00年代前半といえば、バブル崩壊後の大不況の嵐が吹き荒れ、いわゆる失われた10年の時期だ。
その荒んだ社会情勢の中で、いくら負けてもへこたれず懸命に走るその姿は、『負け組の星』『リストラ時代の対抗馬』と多くの人の共感を呼んだ。
さらにその共感が人気を呼び、その人気が話題を呼ぶようになると、あのレジェンド武豊がハルウララに騎乗することになる。
そのレース当日は入場者数、1つのレースの馬券売上額、1日の総馬券売上額はいずれも高知競馬史上最高記録を更新、ハルウララの単勝馬券だけで1億2175万円の売り上げを記録した。
もちろんハルウララはこのレースも負けたが。
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その後、ハルウララは113戦して結局1勝も出来ず引退する事になった。
生涯獲得賞金は112万9000円。
引退の前後には金に目がくらんだ人間の手にハルウララの権利が移ってゴタゴタが起きるということもあったが、 現在は有志が設立した基金によって平穏な余生を送っている。
レースでは1勝もできなかったが、そのひたむきさのおかげで多くの人気を勝ち取り、現在に至った。その事こそがハルウララ最大の勝利だろう。
次回掲載予定
『日本ダービー目前!! 過去のダービー大穴馬券』
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