3連単が450万円!? 春のスプリント大波乱劇

 2019年3月24日に中京競馬場芝1200m、18頭立てで行われた第49回高松宮記念(GI)。


 1番人気に推されたのは、前走、前々走とスプリント重賞を連勝し、頭角を表し始めた若き未来のスプリント王。ダノンスマッシュ。


 レースはゲートを上手く飛び出した4番セイウンコウセイがまずは1馬身のリード。

 だがこれに負けじと他に2頭が追随。先頭集団を形成。

 この集団の後ろに1馬身から2馬身づつ間を空けて複数の集団が形成された。


 先頭集団では激しい先行争いが行われたが、結局セイウンコウセイは先頭を他馬に譲り3番手で内ラチ沿いの経済コースを選択。


 残り200m地点辺りで先頭を逃げる馬がバテ始め、その隙を突き虎視眈々と力を溜めていたセイウンコウセイ、その後方3番ミスターメロディ、また7番ショウナンアンセムが伸びてきた。


 残り100mで俊英ダノンスマッシュが4番手に上がるが、前3頭との差がなかなか詰まらない。


 そしてミスターメロディが叩き合いからわずかに抜け出し、食い下がるセイウンコウセイ、そしてショウナンアンセムがしぶとく伸びゴールイン。


 結局、優勝馬は3番人気に推されていたミスターメロディ。

 波乱という程でもないと思うかも知れないが、このレースは2着、3着が凄かった。


 2着は、1着に僅か半馬身差にて入線したセイウンコウセイ。12番人気。

 3着はアタマ差で17番人気ショウナンアンセムが入った。


 実はこの2頭、ともに6歳馬。競走馬の中でいえばかなりのロートルだ。

 セイウンコウセイは一昨年の当レース勝馬ではあったが、近年絶不調。

 ショウナンアンセムに至っては重賞勝ちすら無い。


 だが、この2頭により若き俊英は3着内から叩き出された。

 まさに老兵の老練さと意地を、若者に様々と見せつけたと言えるだろう。


 この敗北があったからこそ、後にダノンスマッシュは輝かしい数々の栄誉を手に入れる事が出来たのかもしれない。


次回掲載予定

 『追放先で大成功!? 追放系競走馬』

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