1000円が16万円に!? ビートブラック

 天皇賞(春)というレースがある。1着賞金2億円、賞金総額3億8000万円のビックレースだ。


 2012年4月29日に行われた第145回天皇賞(春)、ここでの勝ちを手に入れる為、淀の京都競馬場に18頭の競走馬が集結した。


 ここで単勝オッズ1.2倍、堂々の1番人気に推されたるは、前年3歳牡馬のみが出場できるGIクラシックを総ナメにした、世代最強三冠馬オルフェーヴル。


 対して我らが勇者、ビートブラックはこれまでGIどころか重賞競走勝ちすらない。

 人気も18頭中14番人気、単勝オッズに至っては159.6倍という低人気。誰しもこの馬に勝機は無いと考えていた。


 ところがだ、実際にレースが始まってみると、ゲート最内1枠1番を引き当てていたビートブラックは積極的な先行策を取り2番手追走、最終コーナーにて先頭をちぎると、そのまま2番手に5馬身以上の差を付け圧勝。


 1番人気、オルフェーヴルは11着に沈んだ。


 並みいる強豪を押し退け、ビートブラックは一気にGIタイトルホルダーに成り上がったのだ。


 客席に舞う紙屑と化した馬券の紙吹雪が、彼の快挙を祝福しているかの様に見えたのは私だけだろうか。


次回掲載予定

『3連単が450万円!? 春のスプリント大波乱劇』

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