第3話
ある日テレビを見ていると彼女が一瞬映った。
『彼女だ…。見間違いじゃない。金曜日に駅前で歌っていた彼女がテレビに映った。彼女は少しずつ自分の夢をかなえようとしている』
その番組はテレビでたまに見る割と有名な歌番組だった。僕は茫然とした。彼女は一歩一歩夢をかなえようとしている。僕はどうだ?彼女を見かけなくなったあの日から何をしていた?彼女を一生懸命応援するなんて言っておきながら何もしていない。そんな状態では彼女に顔向けなんかできない。僕はその日から彼女に追いつきたくて決意した。
『曲を作ろう。彼女が歌う最高の曲を』
そこから僕は独学で曲を作り始めた。ネットや本の情報を頼りに独学で曲を作り、ネット上にアップした。もちろん最初は聞いてもらうことすらなかった。アップした曲の再生数は一桁でたまにコメントをもらったと思ったら【つまらない】や【こんな曲誰が聞くんだよ】と辛辣なものばかりだった。
『素人が曲作りなんて無謀だったのかな……』
そんな考えが頭をよぎる。だけど僕はあきらめなかった。常に頭の中で曲を考え、それを形にし続けた。
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