ステータス

名前 ????


性別 どっちでもいい


職業 吟遊詩人


LV  99


HP  9999


MP  9999


攻撃  999


防御  999


素早さ 999


魔力  999


賢さ  999


体制  999


器用さ 999


運   999


精神  999


命中  999


回避  999


etc……


「もういい、もういいから!」


 女神というか、彼女の声から、優しさは欠片もない。


「見ての通り、最強だから。これから異世界に行って、指示通りに動いて。それだけ」


「あの、現実には帰れるのでしょうか?」


「旅が終わればね。ねえ、はやくこいつ送ってくれない?」


 少し間を置いて、天の声は丁寧に言う。


「もう少し待ってください。怒らないで。これが終わったら、解放しますので」


 女神は体勢を変え、寝そべる。私は何も出来ずに、ただ立っている。


「ねえ、なんでさ、こんなステータスが必要なの?」


 女神は私に聞いてきた。


「見ている人からしたら、どれだけ強いのか、わかりやすいのかと」


「……しょーもな」


 女神は鼻で笑いながら、そう答えた。


「OKです。例の言葉、お願いします」


 女神は、寝そべったまま、視線だけをこちらに向けた。無表情だった。


「では勇者よ、ご武運を」


 声だけは優しかった。そして僕は、異世界に飛ばされた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る