第21話 明莉の気持ち

優花が帰ってから、私は頭を冷やした。

「優花とは、こんな関係になりたいなんて思ってないのに。」


「あかり〜!お母さんがご飯できたって!」

「あっ、わかった。今行く」

私は最後のコマにヒントを残し、食堂へ向かった。





〜数時間後〜

なんでこうなっちゃうのかな?私はもう一度考えた。


私は昔から絵が好きで、話を作るのも得意だった。

そこで私は、とある漫画を作って、母にみせた。

それを見て母は、私を褒めてくれて、応募をしてみないかと誘ってくれた。

応募したのは、漫画雑誌の【新人漫画家発掘オーディション】だ。

結果は見事合格することが出来、そこから私の漫画家人生がはじまった。

今書いている作品は、【ココロから】、ちょうどこれで5作品目となる。

【ココロから】は私が応募に出した作品のリメイク版であり、続編でもある。

そして【ココロから】は、優花が大好きな漫画だ。

私たちが中学1年生の時、優花が自己紹介で好きな漫画は【ココロから】だと言ってくれた時から、私は、優花の記憶を取り戻すため、今まであったこと、最近あったことを時々話に混ぜている。

それでも優花の記憶が戻らないから、話の混ぜ方を斬新にするため、優花とは距離を置いた。

その期間で思い出してくれるといいと思っていたからだ。

だが、それが逆効果だったらしく、優花は私に嫌われてしまったと思っているらしい。

阿嘉願が学校に行って距離を保ってくれているが、それも時間の問題。

わけを話して謝りたいが、医者には、

「当時よりも大きなショックを与えて記憶が今度こそ全てなくなってしまう可能性がある。」

と言われているから無理な行動はできない。


一体どうすれば………………………………





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ココロから 櫻井 志 @gomaazarasi

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