第27話 最後はパーティーで締めくくりに行きたいと思います。

アッシュ氏に俺達男性陣は、とあるゲストルームに連れて行かれた。

 何でも今回みたいに急にパーティーが行われる事も…しばしば有るみたいで。


 何も用意をして来なかった客人達の為の、貸衣装部屋も有るんだと。


(流石はクラーク家だよ。用意周到だわ)


 部屋に入るや否や、中で男性の使用人の人達数名が俺とイーソンを取り囲むと。


「ではっ初めて下さい」


 アッシュ氏の一言の号令で、服を脱がされてはあらかじめ用意されていた、衣装へと身にまとう。


「うっわっ」


 まさかっこんな数名に、男性の人達から身包みを剥がされるとは、夢にも思わなかったから思わず変な声が出ちまったわ。


「中々似合っているぞ?エース黙って居れば何処かの公子様に見えるぜ」


「…ぬかせっ!黙って居なくとも俺は公子様なのっ」


 そんな冗談を言い合ってたら、あっと言う間に…イーソンの言う通りの公子様が鏡の前に姿を現した。


「……ほへー…これが俺?」


 鏡に写る俺は、髪をムースで固めサイドに流す様に固められていた。

 スーツも普段は選ば無い様な漆黒だ。

 飾りも変にジャカジャカ付けている訳じゃ無い。


 胸元のネクタイも紫色と言うより…朝焼けに近い色…そうまるでベル嬢の髪の色に似ている。


(ヤベッつい自分に見惚れてしまったわ)


「あははっ何自分に見惚れてんだよっナルかよっ」


「るっ…るせぇなーー」


 まるで、俺の心を見透かす様な言い方をするイーソンの方を見ると、思わず息を飲んじまった。


「……なんだよ?」


「あっ…いやっ別に」


 イーソンは、俺と真逆の色の真っ白のスーツに淡い水色のネクタイをしていた。


 髪は、片方だけ見えない様ピンで止められているのだろ。


 其れがまた…何と言うかクソ格好良いっ悔しいがっイーソンに似合ってる。


(マジかよぉ…イーソンの奴っ野郎のわりに色気あんだよなぁ)


「なになにぃ〜?お兄さんもしかして俺に見惚れちゃってる?」


「…ウッザ…キンモ」


「フォッフォッフォッお二人共とてもお似合いでございます」


 アッシュ氏に、褒められて少し照れ臭かったけど…。悪い気はしなかった。


 俺達は、客間に戻りベル嬢達の支度がまだと言う事なので、其れまでにお茶を頂き彼女達を待つ事にした。


 カチャン。イーソンはティーカップをソーサーの上に置いていつに無く真面目な顔で、俺に質問を投げ掛ける。


「なぁエース…お前さ。ベルの事どう思うよ?」


 ブハァッイーソンのいきなりの質問に、飲んでいた紅茶を吹き出したわ。


「きったねぇなっ!何やってんだよっあーあーあ…もう」


「ゲホッガホッガホッ…すまんっゲホ」


「大丈夫でございますかっ」


 その一部始終を見ていた、メイドが駆け寄り素早くテーブルを綺麗にしてくれた。


「今直ぐ代わりの物をご用意致します」


「すみません…お手数をお掛けします」


「大丈夫です。少々お待ち下さいませ」クスッと笑っては、新しい紅茶を持って来て貰う為、部屋を後にしたメイドさんだが…あの「クス」は多分笑いを我慢している顔だな。



「全くっ…折角のパーティーの衣裳を台無しにする所だったろ?ちったぁ気をつけなよ」


「…いや、今のはお前にも非が有ったと思うぞ、イーソン」


「…で?実際はどうなんだ?」


「お前…其れを聞いてどうするんだよ?そもそもベル嬢は兄さんの許婚だろ?義姉さんの立場だったら…良い人だとは思うよ」


「…ふーん。そっか」


 なんだよ?コイツ一体何が言いたいのか、理解できねぇ。


 俺がベル嬢に気が有るっとでも言うと思ったのか?んな事口が裂けても言える訳無いじゃんっ!


 ふーん…と俺を横目で見ていた体制を、整えて直しては、又ソファーにもたれ直し紅茶を一口啜っている。


 イーソン・クラーク。クラーク家の人間になってから知り合い…友人になって大分となるが…未だにコイツの考えている事が分からなくなる時が有る。


 なんつうの?自分の興味ある事にはグイグイ来るんだけど…一旦切れてしまうと、全く寄り付かない。


 白黒ハッキリしていると言って良いのか…自分勝手と言って良いのか…根は悪い奴じゃ無いんだよな。


 どちらかと、言うと「良い人・善人」だから、付き合ってるんだし。


(そう言や…なんでクラーク家の養子になったのかは知らねぇ…気にした事も無いし)


「なぁっイーソン。俺からも一つ聞きたい事があんだけど…良いか?」


「うん。どうぞ?俺に答えれる事なら」


 とは、言ったものの…こう言う事って聞いても良いのかな…。


 俺の質問に、優しい笑顔で聞き耳を立てては話し出すのを待っていてくれてんの良いんだけど…やっぱ言い出しにくぅー。


「なんだよっ?ハッキリし無いね?」


「あっああ悪いっ。お前さ?何でクラーク家の養子になっちゃったのかなぁ?と思って」


 その時、さっき迄優しい笑顔だった、イーソンが…イーソンの顔が一瞬固まったのを俺は見逃さ無かった。


「…え?あれっやっぱっまずかったよな!すまんっ変な事を聞いて」


「……ああーっその事?良いよ別に隠す必要も無い話しだから聞きたけば教えるけど」


(なんだっ少し威圧感の有る言い方だな?)


「いやっやっぱ良いやっごめんなっこっちから聞いて、今の話し忘れてーー」


 ギクッーー。苦笑いをしながらイーソンを見たら彼の目が氷の様に冷たかった。


 俺は、そんなイーソンを見て「怖い」と思ってしまったんだっでも、次の瞬間には。


「そっか?いつでも聞いても良いんだぞ?」


 ヘラッと笑ういつもの彼が居た。


 其れから、ベル嬢とシーア嬢が支度が終えた事でクラーク家の古い友人宅に招かれたパーティーに行く事にした。


 アッシュ氏が出す馬車の、中で其々着飾ったベル嬢とシーア嬢ははしゃいでいた。

 そんな彼女達を見ている、イーソンは…うんいつもの彼だよな。


 さっきあの目は気のせいだったんだろうか。



  ♦︎♢♦︎♢♦︎後書き♢♦︎♢♦︎♢


すみません…頭の中真っ白です_:(´ཀ`」 ∠):


真っ白過ぎて…現実逃避絶賛爆進中ですな!


ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございますっ(*´꒳`*)


※フォローありがとうございますぞっ感謝感謝です(*´꒳`*)b


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