第24話 ベル達が居ない日。
その頃、エース達の旅行に行け無く一人クラーク家に留守番をする事になった、アリス嬢は。
「はあ…今頃、ベル達は楽しんでいるんだろうなぁ」などなど思いつつも、日々の勉強疲れで寝込んで食事も喉に通ら無かった分を、取り返していたのだった。
「うっわぁ!本当にっカリム様のお母様のお店のケーキ美味しい!」
ハッ!皆様!ご機嫌如何でしょうか?
のっけからはした無い所をお見せ致しまして、すみません。
私クラーク家の長女。アリス・クラークと申します。
ベルとは双子の姉妹なんですのよ。
今、私とベルは両親の言い付けで「立派な淑女」になる為二人で猛勉強しています。
本当は、女学院など行けば良いのですが、両親が家庭教師を雇う事にしたのです。
まあ…ベルは無いとして、特に私が学院に通い出したら、以前みたいに寄り道ばかりして勉強を疎かに成ってしまうからだとか…。
「若い頃の痛気よね…」
其れに、両親の目の届く所に監視…ンンッ置いて置くのが安全だと思ったのでしょう。
元々、勉強嫌いな私は、模範生の妹と肩を並べるのはとても苦労しているのです。
なので、普段から余り頭を使わないのを無理に奮い起こしたもんだから…バタンキューと数日間寝込んでしまいました。
幸いと言うのか…今、大型連休の真っ最中。家庭教師の方々達もお休みになったので、私も暫く、身体(脳)を休めるのです。
「此れは嬉しいわよねー」
…ただ、そんな中イーソンが、エース様やベル達と「ガスパール」に行くって言い出した時には大変ショックでした。
「ガスパール…私も行きたかったなぁ」
ベルやイーソンは「アリスの身体が良くなったら行こうっ」とは言ってはくれたけど。
などなど…思いつつも自分の部屋で食べるケーキを一つ二つと口に運んでます。
両親の目を盗んで食べるケーキは背徳感が有って…たまりませんっ!
そこに紅茶のポットを手に持ったメイドが私の部屋に入って来てはこう告げました。
「アリス様。リチャードソン家のカリム様がお越しになられました」
「はっ!?カリム様…がっ?」
ングッ危うケーキを喉に詰まらせる所でしたわっ!
「何故っカリム様が?今ベルも居ないのにっ!!いっ今直ぐ彼を客間に案内して頂戴っ私も直ぐに行きますっ」
「かしこまりました」
何故っカリム様が…一体何のご用なのかしら。
慌てて、彼が待つ客間に足を運びました。今の今までケーキを食べていたのを気付かれ無い様にしなくては。
…でも、何だかカリム様が来て頂いて嬉しいかも。
私は、客間前で髪や服装の乱れをチェックしては部屋の扉を静かにノックしました。
って…何やってんのよっ服装チェックだなんて…いえっでもっだって妹の許婚だもん。失礼の無いにしなきゃね?
「こんにちはアリス嬢。すみません。突然に押し掛けてしまって」
「い…っいいえっとんでもございません。ようこそおいで下さいました」
私は、カリム様の前でカーテシーをしては、ニッコリと微笑みました…ですがっカリム様はそんな私を見てキョトンとした顔をなさった挙げ句「ブッ」と手を口元に持っていかれ、顔を背けては吹き出してしまったのです。
私は、何の事が分から無く。…ただショックでした。
(私ったらっそんなに酷い顔をしているのかしらっカリム様が吹き出してしまうほど)
「あっ!?いや…大変失礼しました…っ」
私に、謝罪をするカリム様ですが…顔を赤らめ肩を震わせながら謝られてもっ!ちっとも心に響きませんわよっ!カリム様っ!
流石に私だって、少し剥れてしまいますっ!
「本当に申し訳有りません」
そう言っては、気付くと私の目の前にカリム様がっ。
(…ちっ近いっ!!!)
「…失礼」
カリム様は、手を私の顔をそっと優しくあてると覗き込むような仕草をなされましたっ。
私は、彼の余りのも近さに思わず両目をギュッとつい閉じてしまったのですっ。
ゴシゴシ…。
(えっ?は…っ?ゴシゴシ?)
両目を閉じたせいで、彼の行動が視界に入る訳でも無く、ただ私の口元に有るのは違和感だけ。
そうなんですっカリム様は私の口元をハンカチで拭いていて下さっていたんです。
「……あの…カリム様」
「もう少しっはいっ!取れた」
「…はい?あの?」
「…ケーキのクリームが付いていたので、気になってしまって…失礼かと存じましたが取らせて頂きました」
はっ!?クリームッ!?ケーキッ!?
バレたっ!何故、服装や髪をチェックして一番肝心な口元に気付かなかったのぉおぉおっ!!!
「ああああっ!はっ恥ずかしいっ!大変申し訳有りませんでしたっ!!私ったらカリム様になんてことっ!」
多分…いえっ今っ絶対に顔を赤くなって居るに違い無いわっだってっ!私の、全血流が顔に集中しているのが分かるものっ!
そんな、茹で蛸みたいに赤らめている私をカリム様が変に思われるに違い無いっ!
だって…令嬢らしきぬ行動だし…。きっとカリム様だって、呆れているに違い無いわっ!
私は、恐る恐る彼の方をチラッと見てみると。
カリム様は呆れる所か、優しい顔で私を見つめていました。
そこには、王宮を護る若き実力者の隊長では無く…一人の好青年のカリム・リチャードソン様が立っていらしたのです。
私は、ケーキのクリームが口元に付いていた恥ずかしさより。
彼の、優しい瞳に見惚れては顔を赤らめて居る自分が居ました。
…駄目よっアリスッ!この人は私の妹の婚約者なのだから。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢後書き♦︎♢♦︎♢♦︎
後…少しだけアリス嬢とカリム様のお話しが続きますぞっ٩( ᐛ )و
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました(*´꒳`*)ノ
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