第22話 最悪っ…楽しい旅行のはずが。

俺達だけのイーソンの夜の秘密の晩餐会に招待され、目も心も満喫しては別荘に着く。


 まだ…あの素晴らしい景色を余韻にしたまま。


 別荘に着くまと、アッシュ氏が俺達にゲストルームへと案内してもくれた。


 各個人、干渉の無い様に配慮してくれた部屋。


 以外と別荘は広く無い様に見えたが、其処は建築デザイナーの腕だろう。


 奥行きが有って快適に過ごせそうだよ。


 つっても、俺自体生意気な事は言え無いけどな?


 翌朝、朝食を終えて、この後「どうする?」と誰が言い出したかは分からないが、俺達は頭を悩ました。


「そうですわね…私自体…久々に来た別荘ですから、皆様を案内する程自信は有りませんわ」


「残念ながら俺も無いわ」


 イーソンやベル嬢が頼りだったが、彼等も久々に来た別荘地だ…そりゃ変わって居る所も有るだろうに。


 そこにアッシュ私が最近このグリフィスに巨大な水族館出来た事を言ってくれた。


 アッシュ氏によると、なんでもグリフィスの観光の目玉の一つだとか。


 俺達は、早速アッシュ氏にその水族館迄送って貰う事にしたんだ。


 水族館に着くと、流石は連休なだけは有って、観光客達で賑わっていた。


「着きましたよ。皆様。18時頃にお迎えに来ます。其れまでご堪能下さい」


 アッシュ氏はいつものフォッフォッと笑っては、馬車と共に走り去って行った。


「さて…と。ここがアッシュ氏が言っていた水族館」


 その水族館はザッと見渡す限り広い…。多分東京ドーム三個以上は有るんじゃ無いかって位だ。


 そして、人・人・人の山…家族連れやカップルに友人同士で溢れかえっている程。


 その中でも、園内ではピエロや何かのキャラクターの着ぐるみを来た人達が風船を山の様に持って道行く子供達に渡していた。


「わあ…良いなぁっ風船!私も欲しいっ」


「でもシーア嬢。アレは7歳までの子供限定みたいですわよ?ホラッピエロの服の後ろに、そう書いて有りますもの」


「えー…っ私も欲しいのにぃ」


 ぶうっと小さく両頬を膨らませは、ピエロをガン見しているシーア嬢。

 まさかっガン見していたら貰えると思っているのか。


 こう言う所は、アリス嬢を思わせるよな。


「ふふ…でしたら、風船までとはいかないですが…あちらでソフトクリームでも如何です?」


「食べますっ!」


 ベル嬢の提案に大はしゃぎの、シーア嬢。何だか…俺達イーソンと二人置いてきぼりの様な気がする。


「そちらのお二人は如何なさいます?」


「あっ…俺アイスよりコーヒーが良い」 


 イーソンがベル嬢に言うと、俺もイーソンと同じ物を…と告げた。

 俺達、二人が買いに行く事を言ったんだけど…シーア嬢が「売店」で何が有るかみたいから私が行くと言い出した。


 折角なので、俺達は女性二人に頼み、売店から少し離れたベンチで待たさせて貰う事にする。


「はあー…流石は連休だよな!すんげぇ人っ俺…既に人酔いしてるかも」


「大丈夫か?エースッまだ水族館にも入って無いんだぜ?」


「だーいじょうぶだよっコーヒー飲んだら、マシになるさ。其れに水族館なんて久々で楽しみだわ」


 本当に幾つになってもテーマパークやらイベントは楽しいもんだよ。


 そんな何気無い会話で、ボンヤリ話しをしていたら…中々あの二人が帰って来ない。


「…少し遅く無いか?」


「確かに…店もそんなに混んで居なかったけどな?もしかしてっクリームに使うミルクが無くなって、牛さんからミルクを搾りに行ったとか?なぁんてなっあははは」


 などと親父ギャグ紛いな事を言ってイーソンの顔を見ると、彼の顔は「無」だった。


(しまった!思いっきり滑った!…さむ)


 にしても、遅い…イーソンにベンチで待って貰う事にして、俺は彼女達の様子を見に行く事にした。


 店から、ベンチまでの距離は、少し離れては居るとは言え…。幾らなんでも遅いだって20分は経っていたから。


「…何かトラブルにでも有ったのかな」


 店の機械のトラブルならまだしも、もし違う何かに巻き込まれてでもして居たらと、嫌な事を脳裏に浮かぶ。


 店の近く迄行くと、何やら人集りが出来ていた。


「あの場所って確か店が有る所だよな?」


 俺は、その人集りの中を隙間を見付けてはすり抜けて行った。


「すみませんっ…ちょっと…通し下さい」


 何とか、最前の所迄来て見れば、其処にはベル嬢とシーア嬢がタチの悪い野郎達に絡まれていた。


「ベル嬢っ!シーア嬢っ!」


 俺は咄嗟に二人の名前を呼び。俺の声に反応した二人は今にも泣きそうな顔になっている


「エース様っ!?助けてっ」


「何だっアンタッこの二人の男か?」


「男って下品な言い方はやめて下さいっ!」


「…んだと?」


 状況が良く飲み込め無いが、断然この野郎に非が有るのが目に見えて分かる。


「…一体、何が有ったんだ?シーア嬢」


「それが…」


 シーア嬢の話しに寄ると、クリームやコーヒーを待っていたら、後ろから二人組みのコイツ等が「遊びに行こう」と話し掛けて来たらしい。


(成る程…ナンパね?)


 で、それを断ると、逆ギレしたのか一人の野郎が「このアマ俺の足を踏んだっ痛え」と難癖付けて来たんだと、それで慰謝料をよこせだとか払えないのなら、俺達と一緒に来いっだと無茶振りを言う始末。


 そこに俺が来たってな訳。


「はあー…っ。はいはいお兄さん達ぃ。悪いけど彼女達は俺の連れなんですよ?チョッカイ出すの止めて貰えますぅ?」


「…なんだ?テメェ。俺の足を踏んでただで帰すとでも思ったのか?」


 カッチーンッはいっ来たっ来たよ?これ。久々に頭に来たね。


 俺を上から下まで舐め回す様に見て来る、輩に俺がビビるとでも思ってんのか?


「連れの一人に話しを聞いた所。彼女達に相手され無いからと言う理由で踏んでも無い足に難癖付け…慰謝料だの何だのって絡むなんて…ハンッ頭沸いてんの?」


 先ほどから、俺を上から下まで「おおん?」と舐め回す様に見ていた、野郎の眉毛が上がった。多分「ピキッ」と何かが切れたな。


「エース様っもう良いですわっこの様な無礼な方達に何を言っても無駄ですっ行きましょ」


 ベル嬢が野郎にクルッと背を向け、俺とシーア嬢を連れてこの場から立ち去ろうとした時。


 野郎の一人がベル嬢の髪を「グイッ」と引っ張った!


「待てよっまだお前との話しは終わってねぇだろがっ舐めてんじゃねぇよ!」


「きゃあああっ!?」


 ベル嬢も不意に髪を引っ張られた反動で、野郎の足下に倒れてしまった!


「きゃあっ!ベル様っ!」


「あははっザマーッ俺達を舐め腐った言い方するからだよ?大丈夫ですかぁ?オジョウサマ?」


 倒れたベル嬢を見ては、一人は舌を出しながら笑いもう一人は指を指して笑う。


 その時、俺の中の何かが音を立てて切れた感じがした。


 気がつけば髪を引っ張った野郎の顔を片手の掌でミシミシッと音が鳴る迄掴み離さ無かった。


「…テメェ…何やってんだ?人の連れの髪にその汚ねえ手で気安く触ってんじゃねぇよ?それとも俺に殺やられたいの?ねぇ?」


「ひやいっ…ひゃいっ」


 ミシミシ…ッと野郎の頬の骨から鈍い音が、聞こえる、一層の事このまま握り潰してやろか?


 もう一人の野郎の連れが「離せっ!」と俺に掴み掛かろと迄はするが、俺のギロ…ッとひと睨みに「ヒッ」と声を出しては臆する。


 それを止めに入ったのは、他でも無いベル嬢だった。



  ♦︎♢♦︎♢♦︎後書き♢♦︎♢♦︎♢


私は、旅行先ではトラブルに合った事は無いですが…テレビのニュースでたまに見掛けますよね。お互い折角の楽しい旅行気分が台無しなるから勿体無いですぞっ_(:3 」∠)_



ここ迄お付き合い頂きまして本当にありがとうございました(*´꒳`*)b

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