「すまん、また調子に乗って中出ししちまって…」


「いーよ、その方が気持ち良いんでしょ?」



オレもちょー良かったし~と、行為を振り返りながら顔が熱くなる。


初めて以降は、そゆとこ真面目な智久さんだったから。ちゃんとゴム着けてすんのが基本だったけど…。こんな風に火が点いちゃうと、男だからやっぱり止まんないもんだよね?







「んなこと言って…なんかあったらマズイだろ。」


それに、と智久さんは口ごもる。

なに?と目で問えば、バツが悪そうに答えた。






「中出しシた後、風呂で処理してんのがなぁ…ヤバイんだよ。」


「あ~…結局その後でまた襲われちゃったしねぇ。」



お腹の中の智久さんのを掻き出す行為が、エロいと訴えられても。智久さんに指突っ込まれてるかと思うと、どうしても感じちゃうから仕方ないじゃんね?


だからって自分で処理しても、なんかヤラシイ!って智久さんまた元気になっちゃうし。


オレもヤじゃないから、さぁ…







「俺はお前を、大事にするって決めたんだから…」


次からはお前の誘惑にも耐えてみせるぞっ…て、

オレが誘惑したんだっけか?


けどそれってさ、今後はさっきみたいな流されエッチ無しってことなんだったら────…





「え~…オレ、智久さんに襲われんの好きなのになぁ…」


智久さんに借りたおっきなトレーナーだけ身に纏い、ギリギリラインで太股をちらつかせ擦り寄れば。

智久さんはあからさまに動揺して、目を泳がせる。






「オレならへーきだよ?智久さんになら、何回でもさ…」


中に出されるの気持ちいーし。

愛し合ってる感じして満たされるでしょ?





「はぁ…やっぱお前は、まんまだな…」


「え~、それってどういう意味~?」


抱き付いて問えば、困ったよう溜め息を吐く智久さんは。





「俺を狂わせるくらい、魔性だってことだよ…」


そんな可愛い顔とヤラシイ身体で誘惑しやがって、と。


答えて唇を奪う貴方も、大概質が悪いよって心の中で苦笑う。





「だって、好きなんだもん…」


口付けたまま上目遣いで見つめれば、智久さんも苦笑して。お返しだとばかりに、深く舌を絡めてくる。






「その顔、誰にも見せるなよ?」


「…智久さんこそ、カッコイイんだから気を付けてよ?」


「ははっ、俺はモテねぇから安心しろ。」


クリスマスに告られてたクセに、自覚ないんだもんなぁ~…。


知れば知るほど、貴方の魅力に気付かされてさ。

不安で仕方ないんだかんね?


それでも…






「俺は、お前だけだよ…」



だから離れるな、ずっと傍にいろって。

ちょっとでも不安そうな顔したら、智久さんはちゃんと言葉を与えてくれるから。





「ん…ずっといさせてよ…」


オレは安心して、貴方に甘えていられるんだ。






初めての失恋は辛かったけど。

そればっかりじゃなかった。


辛くても…いつかはこんな風に、幸せを掴む事が出来るんだって。


奇跡みたいな出会いに、運命を感じた。




貴方に会うためだったと思えば、それも良い経験かなってさ。

今じゃオレより智久さんのが、アイツの…元恋人の存在を気にしてたりするけど。







「引っ越し、するかな…」


「どしたの急に?」


イチャイチャしながら、独り言のように告げる智久さんを見上げたら…





「ワンルームじゃ、一緒に住むには狭いしな。ここユニットバスだし、窮屈だったろ?」


「え…」



…確かに、男ふたりでイチャコラするにはアレだったけど────…って。本題はそこじゃないっしょ!







「え、一緒…って…」


「俺とお前が住むんだよ。」



本音はこの場所に、元彼との思い出があるのが嫌だからと…。


後で渋々教えてくれたけど。







「いー…の?」


「微妙に遠距離だし、お前も大変だろ?それに、」


俺が一緒にいたいんだよって、照れ臭そうに言うから…。


オレも釣られて真っ赤になってしまった。







「嫌…じゃないよな?」


言葉に詰まり黙ってしまったオレを、不安げに見下ろす智久さん。


じっと見つめ返したら、離さないとばかりに捕らえられて。込み上げるものに、目頭が熱くなる。







「嫌なら、無理にとは…」


「んなわけないっしょ!」



むしろ大歓迎だよって、応えて胸に顔を埋める。

ずっとそうしてたら、よしよしされて…






「泣くなよ、雪緒…」


「だ、だって…」


バレバレにも慰められてたオレは、余りの嬉しさに感極まって。子どもみたくわーわー泣いてしまった。





オレと貴方が出会ったのはクリスマスで…

恋人になれたのもまた、聖なる夜だったけど。





「これからはずっと一緒だな…」


「うんっ…」


365日、全てがサプライズで記念日になるくらいに。

ふたりで大事に育んで…



毎日毎日、愛し合いましょ?



Happy new…

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