(……で、お約束の生殺しと…)



泊まりなんて、初対面のその日から何度となくしてきた。


勿論、オレひとりが浮わついてるだけで。

智久さん自身には下心も何もないんだから。


友達同士のノリで、なんだろうけど…。





(人の気も知らないで。ちゃんと解ってんのかなぁ…)


オレ、男と付き合ってたんだぞ?と…隣りでぐっすりと眠る智久さんをの顔を見上げる。


…そう隣り。なんの罠か、智久さんてガタイいいっしょ?だからベッドがやたらデカくってさ───…野郎3人くらいでも詰めれば寝れそうなくらい、余裕あんだよねぇ。


で、一緒に…ってわけだが。






(はぁ、やっばいなぁ…)


唯でさえ、遊び人で快楽主義なオレがだよ?

健気に…って初日に不意討ちチューはしちゃったけども。

好きって意識し出してからは、そういうおふざけも封印して。恋する乙女バリに食事だ掃除だって、地道なアピールだけで一年耐えてるんだから。


マジ褒めて欲しいよねぇ…。






(まあ、オカズにはしちゃってるけどね…)


爆睡してるのを良いことに、ぴったりくっついて顔を観察する。


智久さんは学生時代スポーツマンだった名残で、

未だに筋トレしてるらしいから見事に逞しくて。

この腕に抱かれたら、どんなに気持ち良いだろなって、ついつい想像したら───…体が火照ってしまう。






(なんで彼女いないのかなぁ~…全然悪くないと思うんだけど。)



顔はまあ、フツーだけどさ。

アスリート並みの体格だけで充分魅力的だし。

スタイル良いから、何着てもモデルみたいで格好いいんだよね。


何よりさ、スーツが良いっていうか…いかにも大人!って雰囲気でさぁ。

今日みたく仕事帰りにネクタイ緩める瞬間とか、色気ムンムンしちゃってて。


意識したらホントヤバいよ~ってなりマス…。







(ダメだぁ…も、勃ちそ……)


今日こうなると予想して、いつもより多めにヌいてきたのになぁ。本人目の前で、据え膳状態にされると…男の性には抗えないな、と思い知らされる。






(この手で、扱かれたら…)


智久さんの大きな手にこっそり触れ、指を絡めてみる。


毎回泊まってるから知ってるけど。

智久さんは寝つきが良いから、何しても大抵起きないので。就寝後はこうして好き勝手してたりする。






(キスして、乳首も弄って…)


スヤスヤ眠る愛しい人に顔を寄せる。

寝息が掛かる位置に、オレの下半身は馬鹿みたく熱くなった。そりゃ完勃ちになるわなぁ。





(智久さん…)



ちゅって、唇に口付けても。智久さんは、全く起きる気配がないから…調子に乗ってペロペロとそこを、犬猫みたく舐めてみたり。


それでも起きないから、欲望はエスカレートして…。吐息にうっすら開いたところに、舌を少しだけ挿し込んでみた。






(ん…はぁ…っ…)


智久さんの舌をなぞり、絡める。

さすがにバレたらヤバいから、一瞬で離れた。


つう───…と糸を引いた唾液に、興奮が止まらない。







(はぁ…抱かれたいなぁ…)


不謹慎にもエロい顔して、智久さんの股間に目をやる。





(きっとコッチも、デカイんだろうなぁ…)


オレの尻に入るかな?とか、要らぬ心配してみたり。


だって智久さん、ホント男らしいんだもん。

例えるなら雄の中の雄、みたいな感じ?






(お尻、ムズムズしてきた…)


頻繁に会えるわけじゃないからさ。

ぶっちゃけ恋しくなった時は、自分で慰めてたけど。そんときは智久さんには、お世話になってんだよね~…勿論、オカズとして。



前コスりながら、後ろも自分で弄ってさ。

智久さんに抱かれんの想像して、昨日もしっかりオナってきたんだから────…


マジ切ないわ…

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