第3話

ぐちゃぐちゃになった絵をどこか誇らしげに思う私が居た。

(本当の家族では無かったからこうなったんだ。)

私が眠るまであったはずの鮮やかな家族の風景が本物で、邪魔者が加わったから絵がめちゃくちゃになってしまった。

(また描き直さなくちゃ。)

そう思った。一刻も早く、書き直さなければいけない気がした。

ソファーに横たわる私の耳に、さっき聞いたはずの音が聞こえてきた。

物音一つ起きない家の中に響き渡るガチャッという聞き慣れた音。

もしかしたらさっきのは夢で、両親だけが帰ってきてくれたんだと本気で思った。

期待に胸を膨らませて階段を掛け下りる。

そこに居たのは両親と、


見慣れない顔だった。

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