第3話 人間、意外にも落ち着く事が出来る件。
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-----心太郎視点-----
「ゴハッッッッッッッ!!!!!!」
という言葉にならない声を、衝撃によって全身から絞り出されながら俺は2~3回程地面に叩き付けられ、挙げ句の果てに遅いとは言えない中々のスピードで転げ回った所でやっと止まる事が出来た。
その間に俺が出来たのは精々、衝突時の衝撃による運動エネルギーを全身でされるがままになり、バウンドの時は身体を無理やり受け身で受け流し、その後転げ回る瞬間は身体を硬直させてその身を持ってお狐さんにダメージが行かない様にするのが精一杯だった。
「……ガッッッッ!!ゲホッ!!ゴホッ!!ヴェッホォッッ!!」
と、後々自分でも心配になった程の血反吐を咳き込みながら自身の腕の中を見れば………………あ、コレ呆れてる。あからさまに呆れてらっしゃるこのお狐様。・・・・・・・・・・まぁ、自分でも何やってんのやらとは思うけど身体が勝手に動いたんだよなぁ……「ゲホッゲホッ」
と、『お馬さんが彫られている車』から降りてきた男性が見るからに慌てて降りて来た。
「ちょ待っ!!だっっだだ大丈夫ですか??!明らかに変な飛び方って言うのもアレですが私が思っていた飛び方とは所々違った飛び方していましたがイヤそうじゃなくてまずは救急車を…イヤ違うこの場合は警察を……アワワワワワワワワワワワワ」
・・・・・・・・・・この人の方が余っ程落ち着いてねぇなコレ。まぁ、俺が落ち着き過ぎてるってのも有るんだろうが、まぁとりあえず。
『落ちt……ヴェホッッゲホッ……落ち着いて下さいな。多分、110番で……アダダダダダダ良いと思いま…………イッタァ…………思いますよ。』
『アッ?!!あぁ、って君!!喋らない方が良いって!!見るからに酷いキズだ!!!』
『コクッ・・・・・・・・・ズキンズキンズキンズキン(被害者の俺が言うのもアレだが、良くコレでこの車に乗れるなぁ。もしかしたらレンタルかも知れないし、型落ちかも知れんが。…つーか、マジで痛てぇ。とりあえず後頭部から何かヌルッとした物が流れてるし。まぁ、明らかに血だろうなぁ。下半身も動かそうと思っても全く持って動く気配無し。こりゃ後頭部と一緒に脊髄もやらかしたか??あーイッテェ。後、腕が有り得ない位には折れてるなコレ。左手は、まぁ、何とか動くか。むっちゃ痛いが。右手…………つかコレ右腕からお釈迦になってんな。あ、そーだ。お狐さんは、と。)』
『もしもし警察ですか今さっき、ホントについさっき!!車道に狐らしき動物が居ましてそれを少年が庇って私の車に激突しt…あ、あぁ!!場所ですか!!…えーと!えーと!!!あ、北海道○○市の国道○○号線です!!それでですね?!!(ry』
そうして俺はいつの間にか自身の腕の中から消えていたお狐さんを探すが、俺のなけなしの気力と根性を振り絞って周囲を見渡せど、その麗しきモフモフは既に姿を消した。
『…………(いつ脱出したんだろ。まぁいっか。)クラッ(…………………………あー、そろそろマジでヤバそう。)』
『〜〜〜で!!腕とか背骨とか頭とかもう色々折r……ヤバい!!少年が目を閉じてまう!!アワワワワワワワワワワ』
『………………………(あのお狐さん、きちんと…………生きてりゃ良いな…ぁ。…………………あー、だんだん寒さが来たし視界も狭くなって、……………おーマジで俺死ぬっぽい??)』
そんな感じで、呑気な事極まりない交通事故の被害者は目を閉じてしまった。
~完~
-----???視点-----
『全く………今時こんな阿呆が居たとはな。・・・・・・・だが、こういう奴も今の世の中、居なくなっとるしの。そういう意味ではこ奴は「らっきー」……って奴かの??』
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どうもヤモリです。投稿する為の下書きが遅れに遅れました。申し訳ない。
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