第17話
僕と言う人間の基本的な戦闘スタイルは様々な道具を駆使したオールラウンダーな戦い方である。
しかし、僕がその僕本来の戦い方で戦うことは珍しい。
「雷」
「洪水」
「地震」
「萌芽」
「噴火」
「隕石」
「暴雨」
「竜巻」
何故か。
それは簡単だ。
基本的な相手はすべて僕の圧倒的な魔法の前にその膝を屈するからである。
僕は魔法を使った宙に浮いた状態で幾つもの魔法を発動し、ぶつけていく。
「クッ!?!?」
「化け物……ッ!!!」
「ここまでなのか!?」
「そこッ!潰れるなよッ!?全部捻り潰されるからな!?頼むぞ!?」
「はぅ……あ、ひゃいッ!!!」
僕の眼下で魔族たちは慌て、もがき、必死に生へとしがみついていた。
『……地獄だ』
数多の中、レミアの言葉が頭の中に聞こえてくる。
眼下で繰り広げられているのはありとあらゆる災害である。
雷が、洪水が、地震が……ありとあらゆる災害が魔族たちの前へと立ちふさがる。僕の魔法のもとに繰り広げられるその猛威の数々は彼らに大きな恐怖を与える。
しかし、それでも魔族は誰ひとりもかけることなく耐え続けていた。
「ふむ……」
もうちょっと魔法のレベル上げようかな。
自分の魔力を増幅させ……己の瞳を輝かせる。自らの眼球をくり抜いて刻印した魔法陣が光り輝く。
「堕ちろ」
次なる大魔法を、さらなる威力を秘めた魔法を発動しようとしたその瞬間。
「……ッ!?」
いつの間にか僕の直ぐ側に来ていた一人の魔族が僕に肉薄攻撃を仕掛けてくる。
その体は既にボロボロだ。
「……」
僕はその魔族と共に天空から大地へと落とされる。
「我らが相手だ」
「……」
「……」
「なるほどね」
僕の周りを魔族の男たちが囲んでいく。
その男たちは皆、覚悟に決まった表情を浮かべていた。
魔族たちはとある術を使って自分たちの時を止め、現代にまでその生命を維持し続けた存在だ。
全ては魔王様の復活のために。
彼らは既に魔王様を復活させるためであれば、死すら覚悟しているようだ。
『ごめん。ちょっと足止め出来ないわ』
魔族たちはちゃんと僕に配慮してくれたようだ。
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