第16話
『おっけー。対処は僕がするよ』
頭の中に響いてきたレミアの言葉に対して僕は軽い言葉で返す。
『は……?な、何を言って……?ひ、一人で潰すというのか!?』
『当たり前じゃないか』
僕は驚愕と共に放たれるレミアの言葉にそう返す。
『別に魔族が何人かかってきても負けるつもりはないよ。……流石に一度に数百見るのはキツイ……というか無理だけど。そこそこの数を足止め出来ると思うよ』
『そ、そうか……本当に規格外なんだな』
『まぁ、任せてよ』
『あぁ。じゃあ、任せることにするよ。えっと……それで、だ。魔族は』
『あ、別に彼らがいる場所なら既にわかっているから、教える必要はないよ』
僕はその場から移動を開始し、魔族の気配が蠢いている方へと向かう。
「……」
「……」
「……」
「見えた」
僕は無言で行軍している魔族たちの姿を発見する。
……彼らには悪いけど、ここでボコボコにさせてもらおう。僕が何もしないでいたら、こいつ魔族の味方なんじゃね?って疑われちゃうからねッ!
「ほーら」
僕は己に体に刻まれた邪法の数々を叩き起こし、大魔法を発動させる。
地獄の業火が容易くこの世界に顕現し、世界を黒く染め上げた。
『……え?何あれ。化け物じゃんか。やば……』
「……」
僕は地獄の業火を眺めながら無言で次の魔法の発動の準備を開始した。
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