第8話

 化け物を倒した後。

 僕はレーニャが呼びに行ってくれた大人たちに助けられ、血塗れの化け物を見て大変驚かれた。

 勝手に森に入って、危険なことをした僕を両親は叱り、レーニャを助けたことを褒められた。


 そんなことがあってから1週間。


 小さな村へとこの国の騎士団がやってきた。

 森に出た化け物について調査するためにやってきたのだという。


 あの化け物は魔物と呼ばれる危険な存在で、あれはゴブリンと呼ばれる最弱格の魔物なのだそうだ。


 ゴブリンは最弱格の魔物なのだが、集団になると話が変わってくる。

 ゴブリンは大量に繁殖し、超大きな集団を作ることがあり、その集団は容易く大きな街でも飲み込めるのだ。


 戦闘が出来ない小さな村では、ゴブリンを殺すことが出来ず、繁殖を許してしまうのだ。

 そうなったら最後。ゴブリンの超巨大組織的が誕生し、大きな被害を齎すことになる。


 そのため、王都よりゴブリンを殲滅するために騎士団派遣されたのだ。

 ……。

 …………。

 ………………。

 あぁ……こんな情報などどうでも良い事だ。


 最も重要なのは村にやってきた騎士団。

 彼らのエンブレム。

 騎士団のエンブレム。

 見覚えのあるエンブレム。


「は、はは……ははははははは」


 僕の口から笑い声が漏れる。

 間違いない。

 あれはゲーム『禁忌ノ哭ク頃に』に出てくる騎士団のエンブレムだ。


 どうやら僕は『禁忌ノ哭ク頃に』の世界に転生していたようだった

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