第5話

 双極の太陽が昇り、沈み……それを繰り返すこと前世の計算で二年。


「マキナー!!!」


「んー」

 

 玄関の方から聞こえてくる元気で無邪気な少女の声。

 僕はそれを聞いて視線を玄関の方へと向ける。

 

 そこにいるのは一人の少女。

 僕より二歳年上の少女であり、汚れてはいるものの、サラサラな赤髪に赤い瞳を持ったそばかすがチャームポイントな少女。

 ちなみにだけど、7歳という若さにして胸が盛り上がっている少女である。

 順当に成長していけばきっととんでもない爆乳となってくれるだろう。

 僕は少女の母親の……この村一番、いや、前世も含めた僕の全人生史上最強のおっぱいを思い出して考える。

 あのサイズは……アニメレベルだ。

 

 二年の月日が流れ、三歳から五歳に成長した僕の生活にあった一番の変化が彼女の存在だろう。

 

「あそぼー!!!」


「良いよ。何するの?レーニャ」

 

 少女、レーニャの名前を読んで何をして遊ぶのかを尋ねる。


 幼き頃。

 僕が最も後悔したのは純粋無垢で何も知らなかった女の子たちと遊ばなかったことだ。

 決してゴミを見るような視線を送られることなく、僕と遊んでくれる夢のような女子たち……そんな麗しき天女のような女子たちと幼少期の僕は遊んでこなかったのである。

 前世の人生最大の汚点、失策。

 

 だからこそ、僕は今世ではこの少女と遊び尽くしてリア充気分を満喫するのである……!

 レーニャは田舎の中の田舎の少女。汚れを知らぬ少女。

 ませていたりなんかしない。

 純粋無垢で可愛いのである。


 ちなみにだけど、こういう閉鎖的な村だと、結婚相手は自動的に決まることになる。

 このまま行けばレーニャが僕のお嫁さんとなることだろう。

 あれ?この世界の僕……エロゲに熱中するDTよりも遥かにレベルが上では?

 将来巨乳の女性と結婚確定世界ktkrわっしょいでは?転生最高……ッ!スマホとか要らんわ。女性の方が遥かに良き……。

 

「森!今日も探検に行くの!伝承の勇者になるの!」


「そうだね……じゃあ、勇者になりにいこうか」

 

 僕は小さな手足を使って上手く立ち上がる。


「ん!」

 

 レーニャは僕にもみじのような小さな手を差し出してくる。


「行こうか」

 

 僕はレーニャの手を握って、笑みを浮かべる。


「森の方に行くぞー!」


「おー!」

 

 ハイテンションなレーニャのテンションに合わせて僕もテンションを上げて、誰もいない家から出る。

 

 これから向かうのはこの村から少し離れればすぐそこ。

 村の隣にある深い森だ。

 別にそんなに危険があるわけでもない。別に魔物とかがいるわけでもないしね。

 

 ……なんかフラグを建てような気もしないではないけど……。

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