第16話 にしきさんのLINE【答え合わせ】
2021年4月15日夜、美琴とLINEで会話していたところ、美琴からにしきさんに代わったらしい。
後の世に伝えなければならないことと思い、にしきさんからのLINEの内容を日記に記載しておく。
以下、にしきさんからのLINEの内容。
人は認められないと生きて行けない。
認められることがリアルに金銭となり動く。
その仕組みをきちんと自覚しなければならない。
そうすることで、認められた経験が自信となり、他者を認められ与えられる存在になれる
本当に必要なのは他者をも認め、必要な言葉や想いを伝え、背中を押すこと。
みんながその人らしく生きられる世の中になれば、自然と己の中にすくう闇を排除できるのだ。
それが本当の意味での光となる。
それを知る為に、闇の正体を知らなければならなかった。
自分の中にすくう闇のシステムを理解しなければならなかった。
理解しなければ、ただの理想論。
本当の意味を知っていればできることは変わってくる。
今起きていることは、夢でもなく全て起きるべくして、学ぶためにあった出来事。
神社の現状を知ることもそう。
人の中の信仰という掴みきれない部分を知ることが必要だった。
知らなければ何も出来ぬ。
本当の意味での役割を果たせぬ。
人という自分の中の傲慢や怠惰をしっかり見なければならなかった。
理想であったとしても、それをやり通したらどうなる?
それは理想ではなく、日常となり、現実となる。
つまり、闇を知り、おのずと生まれる理想を叶えるために努力できるようになる。
その闇が深ければ深いほど、強烈な思いが根底となり輝き出す。
石ころを磨きダイヤにできるかも、全て自分次第。
目指す方向に、心むく方向になるようにできている。
ただ、魔が邪魔をする。
自分の闇を他者に向ける者が実に多すぎる。
それ故に不幸の連鎖が起きる。
それを断ち切れるのは、強烈な劣等感から生まれた光。
劣等感こそ闇であり、不安や負の感情こそ闇の餌食となる。
負の餌食は次第に精神をも蝕む。
その結果追い詰められ自分にむくか、他人にすり替えるか。
それを断ち切れるのは自分たち一人一人の生きる力であり、強烈な希望である。
背中を押す存在。
希望を与えるきっかけにならなければいけない。
小さな灯火はやがて大きな光となる。
世界を動かす。
希望の光となる。
それを我々は望んでいる。
神の信仰ばかりでは無いのだ。
憂いているのは希望すら持てなくなった人類を憂いているのだ。
自分の闇、他者の闇に支配され澱んでしまっている。
世界を憂いているのだ。
どんなに闇の世界でもまた日は昇る。
そうして繰り返されてきたのだ。
これから先も繰り返されるであろう。
でも、一番危惧してるのは、闇に全て支配され、光すら届かない状況で人類が生きることを諦めることを危惧している。
そこを阻止しなければならないのだ。
希望というギフトを、次の世代に引きつげない大人が闇を育てる。
それこそ世界の終焉、闇の英才教育となっているんだ。
呪いや負の感情。
その部分が着目され、そして子供たちに呪いという闇を正当化させる。
時代は繰り返される。
繰り返しながら確実に、崩壊への歯車を早めている。
確かに興味を持ってもおかしくはない。
なぜなら紙一重で存在する世界であるから、だがそこに足を踏み入れないための知識が、逆にそこに向かうための知識となる。
闇に加速する。
それでも紙一重であるのなら、尚更、希望を灯し続けなければいけない。
人を大事にすることを教わらず育ち、教育できない大人が歳をとる。
教育されない子供が、大人になり闇を育てる。
結果何が生まれるか、自分達に還っ来るんだよ。
介護難民であったり…介護虐待、孤独死。
全て自分たちが手抜きをした結果。
次の世代を育てきれなかった結果でしかないのだ。
簡単に金を稼ぎ、苦労をしないで済む方法を選択したが故に魂の成長は止まり、手をかけることをやめた故に未熟な魂が世に溢れる。
それこそ世界の崩壊。
簡単に稼ぐ方向に走ることで価値観が変わる 。
物価も変わる。
価格崩壊…そしてまた廻る時には大きな代償となる。
大きな代償こそ闇であったり負の連鎖であったり、結局自分たちで招いた結果でしかないことで世を恨む。
究極…世界に神はいないのか。
どれだけ自分たちは不幸なのかと始まる。
いやいや、拒絶したのは自分たちだろうとなる。
理不尽さに理解できない存在たちが、闇への加速を激化させる。
それが今起きている現状。
だからこそ、『神達の信頼を得て力を借り、元ある姿へ導くことが必要とされているのだ。あるべき場所へ、もとある姿へ戻すことが課せられた使命。もとある場所へ、もとある姿へ…』
陰陽師を生業としていた時、我が常に意識していた事を現代でもう一度、その役を果たして欲しい。
その為に龍殿が居る。
正しい道に導くために欠かせない存在は常にそばにいてくれた。
だからこそ、自分を貫けたのだ。
弱さも不安もなく向き合うためには、自分の迷いを断つためには、必要な存在。
それが龍殿であり、自然界の神々の象徴である。
大きな優しさと愛で包んでくれる存在こそ、固執した魂を解放してくれるのだ。
いつの時代も本質は変わらない。
そこに気づいていないだけ。
ここで錦さんから美琴へと代わった。
『神達の信頼を得て力を借り、
元ある姿へ導くことが必要とされているのだ。
あるべき場所へ、もとある姿へ戻すことが課せられた使命。もとある場所へ、もとある姿へ…』
なにか、突き上げられるような感覚を覚えた。
以上、是宮の日記より。
巫 諏訪野美琴と過ごす日常 諏訪野美琴 @mikoto_suwano
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