第7話 ぐるぐるぽんとメシア誕生

2021年1月7日、夜9時頃。

美琴と要子が、車で近くの温泉に行った時の話である。

温泉に行ったところで、美琴からみゆきちゃんに代わったそうだ。

温泉が楽しみなのだろうと、聞いていた。


すると風呂に入ろうとしたら、大きな蜘蛛がいたそうだ。

一般的には視認できない蜘蛛であり、それはぐるぐるぽんが蜘蛛の姿になった物らしい。

みゆきちゃんは風呂で蜘蛛を見つけて、九字を切ったそうだ。


※刀印の形を作り、臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前(りん、とう、ぴょう、しゃ、かい、じん、れつ、ざい、ぜん)と唱えながら横向きに5回、縦向きに4回交互に手刀を切る。


そして風呂を後にして、足跡を辿られないように車のタイヤと靴に塩を振り、自宅へまっすぐ帰らずにあちこち経由して帰ろうとしたらしい。


「おばちゃんがよく行く場所に、ぐるぐるぽんがかくれんぼしてたの。おばちゃんきたら、ぐるぐるぽんが悪いことするつもりだったの。」とみゆきちゃんがいう。

どうも日常に潜む存在がいるらしい。


「みゆきちゃんが護ってくれたんだね。ありがとう。」と言った。

とりあえず、自宅に何事もなく、戻ったようだった。

一体なにが起きているんだ?





2021年1月9日夜、要子から電話が来た。

「今までと違う。どうしたらいいかわからない」と慌てていた。

電話を変わると、美琴が、低い声で語りだした。

「歯車が狂いだしている。宇宙の歯車が狂いだしてる・・・。」と言い出した。

「どなた様ですか?」と聴くと、「龍を統べるもの・・・天照...」と言った。


!?天照様?


「このままでは世界が闇に包まれる。ここに集いし三人に戦うための武器を託す。目をつぶって空(くう)を握れ。それを受け取れ。」と言われて、目をつぶった。


握った瞬間弓矢の矢が、頭に浮かんだ。

「要子は盾、是宮は弓、この者は刀だな。これは、我らの結晶を集めたものだ。いずれ戦う武器となり、守るだろう。また、行くべき先へ導くであろう」と言って消えた。

正しくは美琴が寝言のように、話しといたのである。


美琴が起きると要子が、「おかあさん、メシアになったよ」と喜びながら言っていた。

美琴は「メシア? 救世主?なに?厨二病の世界?」と事態がのめていなかったようだ。

さて俺ははというと、「何?この厨二病的な話は・・・?」と、考えていた。


そもそも日本の神々ついては、天照大神という名くらいしか知らなかった。

いったい何が起きているんだ?俺だけが、おかしな世界に入ってしまったのか?



以上、是宮の日記より。

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