第4話 みゆきちゃん登場
2020年12月14日早朝。
美琴から下記のLINEが来た。
さっぱり理解できなかった。
以下はLINEの内容である。
おはようございます。
昨日、号泣しました。
みゆきちゃんが戻ってきちゃったこと。
それはさ、正俊くんと先に進むべきだったから。
幸せを願っていたから。
でも見えた。
天照大神様が絶壁の中、祈っていた。
神様ですら祈るしかない現実を悟った。
そしたら寝る前、みゆきちゃんが語ったらしい。
要子から来た文章転送するね。
みゆきちゃん、大きい龍の背中に乗る。
青い龍がむかえにきた。
綺麗な神様がどうしてもお願いしたいと、すごく困ってる。
みゆきちゃんはおっかないことなくなって幸せ。
でも、おばちゃんの事、泣かせちゃった。
本当はお兄ちゃんも戻ってくると言っていたの。
戻れるのは1人だけ。
約束があったの。
約束がいっぱいあるの。
おばちゃん、種植えられてるの。
しんどい思いをみゆきちゃんがガラス玉に悪いの集めるの。
綺麗な女の人がみゆきちゃんだけにしか出来ないと。
お兄ちゃんでも難しい。
向けられた悪い思いを身体に感じちゃうから上手にみゆきちゃんが目隠しするの。
そしてこちらが、美琴から来たラインだ。
昨日左胸が苦しくなって
どうも種を植えられているらしい。
そして夢の中で、色々見たんだけど…でもガラス玉握って寝てた。
悪い思いを全部吸収してくれるって言われて。
みゆきちゃんはさ、娘たちと3人で名付けたの。
かなり昔、私に降りていた。私と同じ成長できない子ども。
私の美と3人の幸せとしてみゆき。
私の家は両親の1文字名前に入れるから。
だからみゆきちゃんて、名付けたの。
そしてね、みゆきちゃんが転生する輪に並んでたはずなのに。
なぜ戻ったのかなっと思った時、現世に思い忘れはないか言われたそう。
それで、桜の龍神になる私を守るために戻って来たと知り、残酷なことをしたと泣けてきたの。
たぶん小学生、1年くらいなのみゆきちゃん。
転生して幸せになって欲しかった。
同時に思ってしまった事があって…。
そして戻ってくれるのなら、正俊くんがいいって思っちゃった私が1番残酷なんだ…って気づいて泣いたの。
そしたら寝る前、要子にみゆきちゃん語ったらしいの。
そんな自分の傲慢さも含めて、新たに進まなきゃならない。
人って残酷だよね。
みゆきちゃん来てくれたのに、正俊君じゃないの?思っちゃった私。
めちゃくちゃ後悔。
それも含めて、人間って勝手で、でも、どうしようもない存在で。
愛すべき守るべき存在と神様たちは見ているんだよね。
その神様たちですら、祈るしかできない現実。
左胸、心臓には種が植えられている。
悪い方に花が咲くように…願いを込められて死んだら糧に花が咲く。
闇に包む世界を誕生させる花。
その種を大きくしないで、取り除くためみゆきちゃんが託されて戻ってきたみたい。
私が腐れば種の成長に繋がるから。
だからガラス玉に悪い思い辛い思いを吸収させてくれる存在がみゆきちゃん。
そう理解したの。
たぶん5年10年単位で予測していたことが急激に早まったんだと思う。
1、2年言いたかったのに私が口にしたのは1.2ヶ月。
だからそうなんだと思う。
以上。
なんのことかさっぱりわからないが、LINEの内容からして『みゆき』という少女の霊が佐藤さんのように、降霊したのだろう。
そして12月1日に夢の中に現れた籠とガラス玉を昨日渡したのだが、ガラス玉が美琴を護るようだ。
俺一人、どこか違う世界に入ってしまったのか?全く理解できないことが起きているようだ。
以上、是宮の日記より。
ガラス玉の説明をしますと、
溶練水晶は、水晶のかけらを集めて熱を加え作った人工水晶として流通しています。熱を加える過程で普通のガラスと同じになります。
なので私たちはガラス玉を同等の価値あるものと認識しています。
そしてそのガラスこそ、諏訪野美琴が作品と昇華させようと、普段制作している素材です。
普通の板のガラスに、命を吹き込む作品を作ることに、いつしか意味を見出し、無機質なガラスに手を加えることで生まれる温もりに価値を感じ、作品を作る作家でもあります。
そして正俊くんとは、諏訪野美琴の心の支えとなっていた、幼稚園時代いじめっ子から守ってくれる。ヒーローでした。
大きくなったら結婚しようねと話す約束すら、希望になるほど当時の私は荒んでいました。
卒園と同時に離れ、連絡先も知らない。
そのまま小学校に上がり、壮絶ないじめ。家庭内での精神的虐待が続きました。
いじめはクラスが変わっても、いじめる相手が変わり、執拗に繰り返されました。高学年では部活の先輩となる様に。また仲の良かった友達に脅迫状が届き、そこに私の名前があったことから、他のクラスを巻き込んでのいじめまで発展しました。
いずれ回想として書く予定ではありますが…。
そんな正俊くんと再会できる予定だった中学校の時、彼の死を知りました。溺れた妹を助ける為、彼は命を落とします。
最後までヒーローだった正俊くん。
そんな背景があっての、想いでもありました。
以上、
諏訪野美琴。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます