上機嫌で笑顔を振り撒きながら
「さて、皆を集めないと」
王女の話だと、もう皆は研究施設から出ているはずだ。皆を集めて、王女のパーティーに招待しなければならない。早いとこ集めないと――王女を怒らせたら麻婆豆腐の辛さが増してしまう気がする。急げ、急げ。
「おーいアコ」
商店街に着くと、買い物をしているアコに出会った。
「あ、チョージ! やっと退院したのね?」
「うん。心配かけてごめん」
アコが持つ重そうな荷物を、いくつか取り上げる。
「ありがと、チョージ」
「アコはいつも頑張り屋さんだね」
「姉妹のまとめ役として、当然よ!」
商店街を歩きながらアコに王女の提案を伝える。
「というわけなんだ。ぜひアコにもパーティーに参加してほしい」
「パーティー⁉」
アコは目を輝かせ、嬉しそうな声で叫ぶ。
「パーティーということは可愛いドレスをいっぱい着ることができるのね⁉」
「まあドレスは着られるだろうけど、いっぱいかどうかは――」
「楽しみね! どんなドレスを着ようかしら」
頑張り屋で姉妹のまとめ役であるアコだって女の子だ。可愛いドレスに興味があってもおかしくない。
「チョージ! ちゃんと私のこと、エスコートしてよね!」
「もちろんだよ、お姫様」
その後アコは上機嫌で笑顔を振り撒きながら、僕と一緒にパン屋へ戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます