ソーダ氷





 ソーダ氷をなにに使うんだ。

 手を繋いでゆっくり、ゆっくりと沈まない平らな氷の上を歩きながら尋ねた。

 しずりは言った。

 お店のかき氷と。


 宇宙に行くための燃料。


 しずりは手を繋いだまま前に回り込んで笑った。

 ゆっくりとではなく。

 蕾が弾けて一気に開いた花みたいに。

 ソーダのような爽やかさと冷たさをかねそなえて。

 そして、言った。


 一緒に行かないか。と。











(2022.6.27)



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