第二章:家族の思い出

高木瀾(1)

「おい、てめえら、何しやがる?」

 警官……それも対・異能力者専門の奴が、ここまで不用心とは……。

 しかも、もうすぐ、こいつが巻き込まれる可能性が高いヤクザ同士の抗争が始まろうとしてるのに……。

 大体……何で、対異能力犯罪広域警察レコンキスタの上層部は、こいつを、こいつが生まれた場所に転勤させたのだ? どう考えても、ややこしい事態を招く可能性が有るのに……。

清二さんだな。訊きたい事が有る」

 私と仲間は、この警官をふんじばって拉致して山奥に連れて来ていた。

だ。俺の名字は『秋光』だ。あの糞親父は俺の方から勘当してやった」

「ああ、知ってるが、その父方の親戚に関して訊きたい事が有る。あんたの甥っ子に関してだが……いや、男装してる姪っ子かも知れないが」

「へっ? 清秀の事か?」

「それも有るが……? そして、?」

 話は、数時間前……夕方ごろに遡る。

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