高木瀾(7)
「親父さん、今、どうしてる?」
週明けの月曜の放課後、電子工作部の部室で今村にそう訊いてみた。
「あのな。生物学上は父親だけど、親の離婚で縁は切れてるの」
「でも……」
「ああ、一応は、生物学上は親子なんで面会は出来た。弁護士が決ってないんで、取調べも、まだだって」
「やれやれ……」
「あと、県警と広域
ん?
何かおかしい……。
警察がダメダメなのは、いつもの事だが……。
私は「正義の味方」の仕事用の
「あの……久米が所属した『組』の動きはどうなってます?」
久米が所属する「暴力団」の表の顔は民間の警備会社で、久米の表向きの身分は、そこの副社長だ。
弁護士なら、そのツテで用意出来る筈。
だが、まだ、弁護士が決っていない。
『ごめん、その件で、しばらく忙しくなるかも』
「えっ?」
『地元ニュース確認して』
「おい、変な地元ニュース有るか?」
「あのさ……これ……何だよ?」
同じ部室に居た同級生で、「正義の味方」の後方支援要員見習いの望月がモバイルPCの画面を向ける。
「えっ……?」
『久留米市内および近隣の防犯カメラ網に大規模障害。運営会社の安徳セキュリティと連絡が付かず』
安徳セキュリティ……久米の所属組織の表の顔だ。
『多分、夜逃げしたか殺された。……久米の「組」の組員が……勾留中の奴らを除いて、組長以下、ほぼ全員、行方不明中だ』
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