読まずにタイトルだけで読書感想文書く奴

『死は存在しない』

最先端量子科学が示す新たな仮説

田坂広志/著



 私がこの本を読まずに思ったことは、まず

「うわぁ、買いたくねぇなぁ!」

 という事です。いつか買おうと思います。行きつけの古書店で100円だったら買おうかなくらいなので、相当先になると思います。

 それは私が考える〝あんまり買う価値のない新書のガイドライン〟にバッチリ抵触していたからです。

 表紙にでかでかと著者の顔写真が載ってます。すごい買いたく……なくなります。


 いかにも思慮深くカッコイイ感じに加工してありますが、おじさんになったらダラシない顔もするでしょ。お酒も飲むし。女も抱くし。

 むしろ最もキモイ瞬間でこんなに格好いいのか~、みたいな写真を使うか、お腹がビール腹じゃないし自己管理しっかりしてるな~、とか分かる全身写真かヌードのほうがいいと思います。いくらか著者の人格が推し量れます。


 だってバッチリ決め顔って、誰でもできるし。それなりに賢く見えるでしょ?

 しかしその顔の印象が良かろうが悪かろうが、IQ200に見えようが1000に見えようが53万にみえようが、イケメンだろうが普通だろうが、本の内容の担保に一切なりはしませんよね。


「おっ、衝撃的なタイトルだな、この表紙のとても賢そうな人が書いたのか。買おう!」

 と手に取る人がいるとでも思ってるのか? つまり読者をバカにしてんのか? お? あ、じゃあお前、俺の敵かな? 本を買って読書をする者の一人である、俺の敵になるかな? じゃあ俺の敵だな? 敵なら攻撃してもいいのかな?

 と邪推してしまうわけです。


 そんなキメキメ写真にしなくても、評価されるものは表紙が文字だけでもフリー素材でも評価されるわけで、要するに売れるわけで。

 著者って装丁に一切口出しできないのかなー。もしくはこの著者はそういう些事には関心がなかったのかなー。

 ぶっちゃけ出版社の中の人も大変だよな、一冊でも多く売れて欲しいもんな、と思いました。


 さて、別にビジネスとか自己啓発とかなら、気にしません。

 でもこいつは

『死は存在しない』

 と言いやがったのです。言い切りやがったのです。

 こちらも端的な感想がでます。

「でも死ぬんじゃん笑、死と呼ばれる行為・現象は錯覚であっても存在するし怖いじゃん」


 もちろん僕も死んだことありません。でもこれは死ぬな、とかこれは死んだな、という経験があります。幼心に死んだらどうなるんだろう怖いな、と考えたことがあります。なので、人に生まれた以上、死ぬとこまでの過程をすっ飛ばせないです。

 実は存在しないって言われたってね、はいそうですか~では済みません。

 どう死ぬかは決められないですが、死ぬとき後悔したくないとか、この生の個らしく在りたいからって理由で、した選択があります。

 そのあと意識が残ろうがゼロポイントフィールドに行くことになっていようが、どうでもいいです。感情の問題です。このタイトルだけで非常にムカつきます。邪魔なんです。

 少なくとも死んで完結する、この個人の生を営んでいる最中なので、嫌なんですよね。このまま死にたくないから頑張ってるんであって、仮説で茶化されてる暇ないんです。意識が永遠だろうがこの人生が幻想だろうが、そんな細かいことはあとで、どうでもいいんです。これ、みなさんもそうじゃないでしょうか。

 まあ、笑ってスルー出来ない私がアレなんでしょうけど。

 そもそもSFでも宗教でも哲学でも、何千前年前から言われてんだその構図、って感想も浮かびます。何番煎じ?


 メチャクチャ言いますよ?

 具体的に本書内容とは全然違う例えなんですけど。

 エヴァで言ってみます。 

「明日には人類補完計画を発動します! みなさんは、ひとつの意識と智識の単体生物になるし永遠に生き続けるので大丈夫ですから、楽しみにお茶でも飲んでちょっと待っててね!」

 どうします。嫌じゃないですか。どんな理屈であろうが真実であろうが、そりゃもう死ぬようなもんやないですか。優雅に楽しみに、お茶飲んでちょっと待ちますか。いやいやいや。即刻全力で阻止にいきますでしょうよ。

 

 でも、いろいろ書いたんですけど。章題とかとか、この方の経歴とかみてると、

「……ほんとにこのタイトルにしたかったのかなぁ??」

 と思いました。

 

 でも読んでないですけど、そのゼロポイントフィールドにはこの本の情報もあるはずで、そこでいくらでもゴメンネできるはずなので、まあいいか。

「買って読まなくてもゼロポで共有できるから、いいよ」ってきっと言ってくれますよね。でないと自著否定ですもんね。

 ふはは。


 あっ、今急に凹んだ……やっぱ嫌な奴だな俺……

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