壺
僕
あたしあたし人を殺したわ。
枇杷が歌うように言い、
僕たちは5人になった。
5人になると試験を受ける。
試験の内容は教えてもらえない。
僕たちは自分で考えて動かなければならない。
ひとりでもいいし、仲間とチームを作ってもいいよ、と神様は言った。
枇杷はひとりで動いている。
八朔と椰子は仲間になった。
僕もひとりで動いているけれど、
苔桃は僕よりも背が高くて、体に凸凹がない人間だ。
僕より年上かもしれない。
男か女かは分からない。
苔桃はとてもゆっくり喋る。
苔桃は言葉を選ぶ。
苔桃は気軽に死ねとか言わない。
殺すとも言わない。
苔桃の笑った顔が、僕は少し、好きだ。
あたしあたし人を殺したわ。
枇杷の浮かれた声がする。
おおかみをつくったの。
神様が枇杷を優しく撫でる。
神様は壺の外に住んでいる。
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