第5話 繋がる二人と天の川
解散し家に帰った後、PM8時半。
静葉は詩織にどんなLIMEを送ろうか悩んでいた。
「うぅーん、パフェを奢ってくれたからには自分から何か送らないとだよね、、、」
『今日はパフェを奢ってくれてありがとうございました!今度お礼させてくださいね!』
結局思いついたのは無難な文章だった。
失礼な文章じゃないか送った後に不安になりながら既読がつくのを待っていた。
静葉が既読を待っている間、詩織もどんなLIMEを送ろうか悩んでいた、でももし彼女に嫌われているのではないかと考えると怖くてLIMEを開けなかったのだ、しかし勇気を出してスマホを見てみると静葉から件のLIMEが送られてきていた。
あまりの嬉しさに詩織はすぐさま通話をかけた。
♪〜静葉のスマホがまるで早く出てくれと言わんばかりにバイブする。
「うぁっ!?」
もしかして送った文章が失礼で、怒りの電話かと思いドキドキしながら電話に出る
「はいっ!もしもし!」
通話に出た静葉の声は少し緊張しているような、でもやっぱり可愛らしい声だと思った。
「急にかけてごめんね、昼間に話しかけた時怖がらせちゃったよね」
「えっあっいえ!確かに最初は怖かったけど、今はもう詩織さんは優しい人なんだなって分かったので!」
やっぱり怖がらせてしまってたんだ、と少し反省しながらも、今は優しいと思ってくれているのに安堵した。
「そういえば今は、天の川が見える時間帯だね。静葉ちゃんがネックレスの魅力を表現するのに使ってたのを思い出して、調べてみたんだ。」
詩織は部屋からベランダに出る。その物音を聞いて静葉もカラカラと窓を開けた。
そこに広がるのは小さくて、微かだけど確かにあの真珠のネックレスのような天の川だった。
「うーん、ちょっとだけ見えます!」
静葉は苦笑いで、でも天の川を見て目を輝かせているのが伝わってくる声色だった。
「私ね、本当は、、、あなたに一目惚れしちゃったの、それはなんだかあのネックレスが私たちを出会わせてくれたのかなって」
詩織は覚悟を決めて言う。
「ええっ!あ、あのそれは、、告白、、ですか?」
静葉は告白をしたことも、もちろんされたこともない、ゆえにムードなんて知らずにストレートな質問をかましてしまった。
「んぇ!?、そりゃあ私も付き合えるなら嬉しいけど、、、静葉ちゃんも不安だろうし、友達から仲良くしてほしいなって意味で言ったつもり、、、かな?」
あまりにもまっすぐな質問に詩織は若干しどろもどろになってしまう。
「え!お友達になってくれるんですか!すごい嬉しいです!しかもあのネックレスを素敵だと思える人となんて!」
静葉は同じネックレスに惹かれたもの同士、仲良くできることにすごく興奮していた。
一方静葉に拒否されなかったことに安心した詩織は、ある提案をする。
「よかったら、予定があったらまた一緒にアクセサリーとか、見に行かない?」
詩織は心の中である決意をしていた、あのネックレスが一番似合うのはきっと静葉であろう。そして詩織が見たいのはネックレスではなく、ネックレスをつけた静葉であることに
気がついた。
「も、もちろんです!是非いかせてください!」
静葉が元気に返事をした後、二人はお互いの予定を言い合い、会う日を決めた後通話を終えた。
「初めてこんな経験したなあ、、、」
スマホのカレンダーに出かける予定を書き込み、もしやこれは半分デートなのではと、布団に入り顔を赤くしながら眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます