第4話 それはまるで宝石箱のような
クーラーの効きすぎているカフェの中で、二人の間だけ暑い中、テーブルの上にパフェとコーヒが置かれた。パフェは、ルビーのような可愛らしい苺や、ブラックダイヤモンドのように冷たく、しかし目を逸れせない輝きを持つブラックベリー。ガーネットを思わせる真っ赤なラズベリーが華美に盛られていた
「わあ、、、なんか、このパフェすっごくキラキラで、宝石が沢山乗ってるみたい、、、!」
先ほどまでの可愛いと言われたドキドキと、少しばかりの詩織への不信感など飛んで、静葉はパフェに目を輝かせていた。
「急にカフェへお誘いしてごめんなさい、でもなんだかあなたと話したくて。私の奢りだから遠慮なく食べて?」
静葉はコクコクと勢いよく頷いてパフェを食べ始めた、それはまるで小さい子供が無邪気に話を聞いているようだった。その小動物のような可愛い行動を見ながら詩織はコーヒーを飲んだ。
「そ、それにしてもなんで私に声をかけてくれたんですか?私なんて、すごくお綺麗な詩織さんに程遠く及ばない人間なのに、、、」
食べかけの中ふと思い出したようにスプーンを置いて詩織に質問する。
「それは、あなたが見ていた真珠のネックレス、私もとても素敵だと思っていて、同じようにまじまじと見ているあなたと気が合いそうだと思ったからよ」
やっぱり一目惚れしましたなんて言えない!と不安で心臓が爆発しそうになるのを抑えながら言う。
「詩織さんも、あのネックレス素敵だと思いますか!やっぱりそうですよね!あのたくさんの真珠がついてるネックレス!まるで夜空を流れる天の川のような!星屑が沢山集まってキラキラと光っているようなあの様!」
ネックレスの良さがわかる人がいて嬉しい気持ちでマシンガントークをする静葉を、詩織はうんうんと頷きながら聞いていた。
「そういえば、この食べさせてもらってるパフェも、果物が宝石みたいに綺麗で、しかも美味しくて、、、!」
静葉はパフェを食べるのを再開しながら詩織の目を見て言った。
「そうなの、ここのパフェ見た目が宝石箱みたいで、自分が好きな宝石を食べているようで本当に好きなのよ」
話を聞いた静葉な納得したように話し出した。
「あっ、だからなんですね!詩織さんの目ってすごく宝石みたいで綺麗で、、、なんだかずっと見ちゃうんです!それはきっと詩織さんがこのパフェを食べたり、多分だけど普段からすごく頑張ってるから、心が磨かれてそれが瞳に反映されてるんですね!」
話を聞いていた詩織は、とてもびっくりしていた。基本周りの人からは余裕のある大人な女性と見られてきたから、まさかあって30分もしない人に陰で努力をしている自分の芯を貫かれるとは思ってもいなく少し嬉しかった。
だが同時に、心を理解されると言うのが初めてで、少し不安を覚え、食べ終わったら解散にしようと静葉に提案した。
「あ、じゃあLIMEだけ交換しておきませんか!今度またゆっくり詩織さんとお話ししたいんです!」
「いいですよ、またお会い出来るのを楽しみにしてますね」
QRコードでお互いのLIMEを交換した後解散した。
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