第8話 夕食の時間

夕食の時間


午後6時が過ぎ妹がクラブ活動を終え帰宅、その後7時近くになり今度は父が帰宅した。


「お兄ちゃんお帰り~」

「おう、ただいま」

「もう大丈夫なの?」

「おかげさまで」

「ふ~ん」


呂方 愛菜 

14歳

中学3年生

誕生日 令和18年11月1日

身長 155センチ

体重 45k

B78W50H77

偏差値59

クラスの人気者

視覚 1.5 

髪は黒でショート、クラブ活動は女子サッカー、日に焼けてやや浅黒い肌。健康優良児

スポーツ大好き少女、勉強も結構成績が良い。

好きなアイドルは居ないが、かの有名な引退したサッカー選手、三浦○良を信奉している。

得意な科目は体育と音楽、そして理科

クラスの男子で気になっている人は今の所無し、気になっているのは先輩の女子。


「愛菜ちゃん先にお風呂入りなさい」

「は~い」

「変わってないな~」

「一週間で変わるわけ無いでしょ」

「そう言えばそうだね」


数分後、又 玄関を開ける音がする。


「ただいま~、お?宗助帰っているのか?」

「ああ父さんお帰り」

「どうだ、もう動いていいのか?」

「もう何処も痛くないよ」

「そうか、それは良かった ああフィギュアもう見たか?」

「うん 見たよわざわざ取りに行ってくれて有難う」

「そうかそうか見たか、あれを持ってくる苦労も少し話さないとな」

「苦労って?」

「店員に引換券を見せたときの呆れ顔、さらにあの大きさの箱を入れた紙袋の柄を見たときの周りの女性達のいやそうな顔と来たら、父さん涙がこぼれそうになったぞ」

「ああ~それはどうも、済みませんでした…」

「まあそれもおまえの事を考えたら、そう苦にはならなかったがな」

「さすが父さんは僕の憧れだね」

(こうやって持ち上げておかないと後がめんどうなんだよ)

「そうだろ~」

「あなた先に食事にして、今愛菜がお風呂入っているから」

「いや一緒に入ってもいいだろ」

【パパやめてよね】


愛菜は今のが聞こえたらしく風呂場から大きな声で拒否を表明する。

それを聞いてしゅんとする父、一応某家電会社の研究所に勤務している技術者であり課長と言う肩書きを持つ。


呂方 敦之

45歳

誕生日 平成18年1月15日

身長 177センチ

体重 73k

B90W78H80

IQ 101

NVT電気㈱ 研究所 課長

視覚 0.8 やや近視 眼鏡使用

髪は白髪まじり、昔はイケメンだった。

責任感があり研究熱心だがそれより今は家族が大事。

妻をとっても愛している、勿論子共も。

現在電力を生み出すシステムの研究をしている、静電気の研究

妻以外に2人気になる女性が居るが、妻以外は恋愛対象ではなく妹みたいな感じ。



「ショック!」

「仕方ないでしょ、もう愛菜も14歳なんだから」


この父と家族なわけだが、実は彼とっても研究熱心、特に今はエネルギーの研究をしており。

その発想はぶったまげている、特に方向性が…

ちなみに父の研究は静電気にヒントを得ている、静電気それだけを聞いてなら「ふ~ん」というぐらいの反応だろう。

だが内容は静電気から新たなエネルギーを得ることだ、それじゃ大して変わらないって?よく考えてみれば分かるが、静電気の大きな物は雷だということ。

特に乾燥したときに起きる静電気、常に起こりうる現象から蓄電することが出来れば即エネルギー問題は解消する。

彼はそのための装置を今も体のどこかにつけていてたまに家族に試したりもする。

それは小型の蓄電池で、最近はボールペン型を開発しており。

それをスマホにつなげれば常に充電できると言うものだ、但しそれを装着した場合静電気を作成する為には常に動かないと静電気は生まれない。

小型化と蓄電気量の増量さらに、出力のUPなどなど、様々なシーンを考えて体の何処にどのくらいの大きさで設置すればより効率よく静電気を確保できるかなどを研究している。


「ちゃんとハンガーにかけておいてね」

「ああそれなら大丈夫」


父の背広をかけるハンガーには当然のことながら蓄電池が付いており、今まで着ていたときに蓄えられた電力をハンガーの蓄電池に集められるようになっている。

そしてホコリを落とすためブラッシングする時も蓄電しているのだ。


「父さん何処まで研究進んでいるの?」

「もう実用化するそうだよ」

「へ~高いんでしょ?」

「いやそうでもないが、これはあまり人に言えないんだよ」

「ああそうだね」

「それより体はどうだ?」

「ボチボチだね」

「まあ元気になっただけでも良いと思わなけりゃな」

「うん」

「もうフィギュアは見たんだろ?」

「うん、取りに行ってもらってごめんね」

「いや~聞いてたけどあんなに大きいとは思わなかったぞ」

「限定1000台だからね」

「俺にも後で見せてくれよ」


そう言うとニッと微笑む、父もなかなかオタク気質だこの父でありこの息子と言うところだろう。

イケメンでなければ結婚など夢のまた夢だったかもしれない。


「無駄話ししてないで早く夕飯食べちゃってね」

「あ~ごめんそれじゃ戴きます」


今日の夕飯はハンバーグ、かなり大きめだが母の手作りは中々美味しい。

父もそう思っている、夫婦円満の秘訣は男の胃袋を掴むこと、これは何時の時代も変わらない。

ちなみに子育てもこの条項が当てはまると言って良い。

ご飯が美味しい家に帰ってこない子どもは居ないと思う。


「おふろあがったよ~」

「ちゃんと体拭いたの?」

「え~めんどい~」


母は寝巻きに着替えた妹の頭をバスタオルでごしごしとこすり水気を取っている。


「パパなに見てるの?」

「いや~バスタオルにも蓄電システムつけられるようにしてみようかと」

「なんだそんな事か、つまんないの」

「愛のボディには興味ないってさ」

「何よ、これでもクラスではモテモテなんだから」

「何言ってるの湯冷めするから早くご飯食べちゃいなさい」

「は~い」


それからは学校のことや入院中のことを話しながら久しぶりに家族4人そろっての夕食を楽しんだ。


「それで宗助は何時から学校へ行くんだ?」

「月曜から行こうかと思うけど別に明日からでもかまわないかな…」

「まあおまえの体だから自分でいけるならそうすればいいが、無理はするなよ」

「うん、そうするよ」


穏やかな夕食の時間家族との語らいは約1時間、スキルの事は家族にも秘密だ。

特に父親には話すわけに行かない、絶対面倒な事をさせられる可能性が高い、まあこの普通な世の中で俺がスキルを使う場所など早々あるわけじゃなし。

いきなり宇宙人や魔族が攻めてくるなどと言うラノベな世の中になるのなら別だが。

それはそれで面倒すぎる、俺はどちらかというと正義の味方からは程遠い。

まあかといって悪の道へ進もうとは思わないけど、なんとなく普通に暮らせれば万々歳って所だ。

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