第5話 地球刑務所

 映画『ショーシャンクの空に』(1994年公開 米)を観た。

 ネタバレを含まないあらすじは以下の通り。


 妻とその愛人を射殺した罪により無期懲役刑に処せられたエリート銀行員アンディは、ショーシャンク刑務所に収監される。

 そこでは、刑務官や所長らによるリンチや不正が横行していた。

「災難は誰かの頭上に舞い降りる。今回は私だった」

 と、アンディは言う。

 彼は冤罪だったのだ。

 ある時、アンディの無実を裏付ける情報を持った一人の新入り(囚人)が現われるのだが……。


 原作は、スティーブン・キング。数ある映画化作品のラストは、胸糞率高し。

 しかし、この『ショーシャンクの空に』は別格だった。

 どんな理不尽な目に遭っても自らの運命を受け入れる。

 それは諦めではなく、始まり。

 この映画を観終わった後は、晴れやかな気分になった。




 刑務所繋がりで、もう一つ。



「地球刑務所仮説」というものがある。

 アメリカの生態学者エリス・シルバー博士が提唱する説である。


 地球は宇宙の流刑地で、人類は捕囚なのだという。意識は肉体という檻に閉じ込められ、時間、空間、次元への移動能力を制限されている。正しいことを習得するまで釈放されることはない。


 つまり、地球人は罪人であり、たとえ肉体が滅んでも、それは刑期の終わりではなく、学び終わるまで何度も生まれ変わらなければならないということなのだろうか。

 どこかの宗教的教義に「輪廻転生を終えること」を最終的な解脱としていたのを記憶している。宗教には詳しくないので明言は避けるとして、キリスト教には、転生については説かれていないが、人類は生まれながらにして罪人であるという考えがあったと思う。


 エリス・シルバー博士は、その著書『Humans are not earth』の中で、人類の身体は地球環境に適合していない理由も述べている。それは、腰痛であったり、日光に弱い皮膚であったり、困難な出産、慢性的な疾病である、と。


 だとしたら、人類はいったいどんな罪を犯し、誰がどのような手段で地球に送り込み、肉体に閉じ込めたのだろうか?

 時折り、夜空を見上げて遠い天体に想いを馳せるのは、意識体(魂)が故郷を懐かしんでのことなのだろうか。

 

 それでも、人類はアースリング。これ以上でも、これ以下でもない。

 私は地球が好きだ。

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