第2話

 俺はヨシオ34歳の学生だ。今回は俺が10年以上前に経験した一番怖かった体験を離したいと思う。

その日は確か、高校3年生の夏休みだった。俺は部活の合宿で、とある山のキャンプ場に居たんだ。メンバーは当時同じクラスで仲良かった友達と先輩1人。みんな車に乗ってキャンプに来たんだ。場所は群馬にある山の中で、周りには森しかなかったよ。

俺らはテントを張って、バーベキューの準備をして……って感じで、結構忙しくしてたなぁ。でもそんな時にさ、突然雨が降ってきたんだよね。天気予報では晴れだって言ってたから油断しちゃったのかも。とにかく急に土砂降りになってきて、俺らはかなり焦ったよ。

「うわー!やばいじゃん!」

「おい早く車に戻れよ!」

俺らは急いで荷物を持って車の中へ避難しようとしたんだけど……。

その時、ガサガサっと茂みの方から音が聞こえてきたんだよ。

俺らが振り返るとそこには……全身血だらけの女がいたんだ。そいつは俺たちを見るとニタァッと笑ってこう言った。

「あぁ……やっと見つけた……」

女はそう言うと、ゆっくりとこっちに向かってきた。そして次の瞬間、凄い力で俺らの体を掴んできたんだ。

「痛てぇっ!!」

「助けてくれぇっ!!」

俺らは必死に抵抗したけど全く敵わなかった。そしたら今度は、女の手に持ってる包丁で刺されそうになったんだ。

もうダメかと思った時、どこからか声が聞こえてきた。

「待ちなさい!」

俺らが顔を上げると、そこにいたのは警察官だった。どうやらパトカーの音を聞きつけて来たらしい。

警察官はすぐに銃を構えて発砲すると、女は悲鳴を上げて逃げていった。

それからしばらくして救急車が到着して、俺らは病院に運ばれた。幸い命に別状はなかったんだけど、あの時の恐怖感がまだ残ってる。あの女は何者なんだろう?もしまた出会ったら今度こそ殺されてしまうかもしれない。

俺は今でもたまに思い出すことがあるんだ。もしもあのまま警察が来なかったらどうなっていたのかなってね。

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