第58話:見放されたら
あやかちゃんが自分の車から飛び出していく・・・
ん?
何?このシーン・・・?
あれ?
どうなったの?
車から離れていく、あやかちゃん・・・
オイ!どうなってるの?!
何があった・・・け?
ってか、とにかく追いかけろっ!
車のドアを開け、あやかちゃんを追いかける自分
追いかけている自分に違和感を感じる
すぐに、あやかちゃんに追いつく自分
「あやかちゃん、ごめん!」
「・・・」
振り向かず、マンションのエントランスに早歩きで向うあやかちゃん・・・
「言い過ぎたよっ!」
必死で言う自分
「もう、いいからっ!」
泣き声まじりの声で言う
エントランスの前に着いたあやかちゃんが
オートロックのキーを開ける
エントランスの中に入っていくあやかちゃん・・・
最後のひきとめもできないまま立っている自分
最後に言った自分の言葉・・・
「おやすみっ!・・・」
何だそれ・・・
そして、あやかちゃんからも
泣き声まじりで
「おやすみっ!・・・」
エントランスの自動ドアが閉まり
奥に入っていく、あやかちゃん・・・
氷のような冷たい感覚が全身をめぐる・・・
しばらく、そこに立ったまま動けない自分
しばらくして、とぼとぼと車に戻る自分
って、ショックが大きくて
意識・・・半分飛んでた・・・?
何があったのか思い出してみる・・・
そう・・・
「本当は次に会う約束してるの・・・」
って聞いた後、自分は平然を装って
相談役になった
「いつ会う約束してるの?」
「30日の土曜日だよ」
30日の土曜日・・・
(この日にちが、後から痛いんだよなぁ・・・)
まずは、その”彼”のことを聞いたっけ・・・
それで、自分が”男目線”でどうかってとこで
相談にのった
でも、あやかちゃんから聞いた情報じゃあ
”あやかちゃんを心底大切にしてくれる男”
ってのは、感じられなかった・・・
だから、攻撃した・・・
そんな男にあやかちゃんを預けられないって
妻子有りの自分が思った・・・
色々なたとえ話を踏まえつつ
その人は、絶対に他の女も居るって言った
勝手に、若くてかっこいい男は、
”女を適度に転がす”
何てことも言った
しかも、妙に自分の言っていることが
当てはまっているようで、あやかちゃんも納得していく・・・
「でも、彼のことが好きなの・・・」
でも、好きみたい・・・
だから・・・
「じゃあ、もう、僕と会うのやめよっか・・・そっちの方がいいよね?
また、ウザく誘っちゃうことになるからね・・・」
悔しくて、言ってみた
「・・・」
何も言わない、あやかちゃん・・・
「・・・もし、あやかちゃんが僕と会うのやめる気だったら、もうとっくに言ってるよね・・・。心の中では、また駄目だった時、僕に戻る気でしょ?また、しばらくして電話してくるんでしょ?」
変な自信と見透かした感じで言う自分・・・
「手の上だね・・・
そうかも・・・
私、
コウちゃんになら、何でも話せた・・・。
何を言っても、コウちゃんは私の味方だと思って・・・
絶対に私を見捨てないこと知ってるから・・・
もし、コウちゃんにまで見放されたら、立ち直れないと思う・・・」
自分も君に見放されたら、立ち直れないよ・・・
「第59話:もう、やめた」
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