第56話:彼のことばかり
何、この苦しい感覚・・・
色々な、憶測が一瞬で頭によぎった・・・
「どう言う事?二人って?」
”そのままの意味”のはずなのに、
言葉の意味を確かめてしまう自分
「二人で飲んでたの。
その人と・・・」
普通に言う、あやかちゃん
「あ~、みんなで飲んでたんじゃないんだ。みんなでカラオケも行ってないんだ」
”二人”でって言ってるじゃん・・・
「・・・うん」
「あ、やっぱりな~。
あやかちゃんが電話くれた時、”盛り上がってる”って言っている割に静かだったんもんね~”ラブホ”に居たんだぁ・・・」
嫌な言い方。
でも、そうであって欲しくないと言う、想いを込めてた・・・
「嫌な言い方するね・・・。
そんなトコには居ないよ」
あやかちゃんの表情が歪む
「でも、朝まで居たんでしょ?エッチとかしたんだぁ・・・」
自分で言った言葉がさっきから吐きそうな程苦しい・・・
「あの時は、公園に居たの・・・。
その後に彼の家に行った。
彼、飲んでる所の近くに住んでて・・・
でも、エッチはしてないよ
キスはしたけど・・・」
”エッチはしてないけど、キスはした”
不幸中の幸い?
ってか、
痛っ・・・
苦しい・・・
「でも、泊まったんでしょ?」
もう、やけ
「朝まで一緒に居たよ。
それから、朝電車で帰ったの・・・。」
ってか、待てっ!
何?!何?!
この会話??
何、今話してるの?
二人で??
え?
ん?!
離したくないはずの、あやかちゃんが
壊したくないはずの、あやかちゃんが
大切で大好きで大好きで
しかたないはずの、あやかちゃんが
え・・・?
え?
「今日も、りかちゃんと一緒に居るときも
ずっと
”彼のことばかり考えてた”の・・・」
しに・・・そう
・・・自分にとってあまりにも
残酷な言葉・・・
「第57話:次、会う約束」
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